NY外為市場=円上昇、ドルは国債利回り低下で軟調

ニューヨーク外為市場では、円が主要通貨に対し上昇した。2016年1月撮影(2025年 ロイター/Jason Lee)
[ニューヨーク 21日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、円が主要通貨に対し上昇した。20日投開票の参議院選挙で与党が過半数割れしたものの、石破茂首相が続投する意向を表明したことで、円に買いが入った。一方、ドルは米国債利回りの低下を反映し、多くの通貨に対し下落した。
終盤の取引で、円は対ドルで1%高の147.315円。対ユーロで0.4%高の172.27円、対ポンドで0.4%高の198.64円。
参院選で与党が非改選を含めた全体で過半数を維持するには50議席が必要だったが、獲得したのは47議席。石破首相が設定した勝敗ラインに届かなかった。
マネックスUSA(ワシントン)のトレーディング部門ディレクター、フアン・ペレス氏は「参院選の結果は、アナリストが予想していたほど石破首相にとって悪い結果ではなかった。議席減は最小限で、石破氏は辞任を迫られることはなかった」と指摘。「石破氏が続投し、財政政策の策定で意見の相違を解決していくと確約したことで、現実は予想よりもはるかに楽観的」とし、全体として円相場にとって歓迎すべき材料になるとの見方を示した。
ただ、日本の金融市場は21日は祝日のため休場。市場では8月1日に迫る米国との関税交渉期限が意識されている。
関税交渉を巡ってはベセント米財務長官がこの日、米政府が貿易相手国・地域と進めている関税交渉について、タイミングよりも質を重視していると発言。日本については、日本の国内政治よりも米国民にとって最良の取引を得ることに関心があると語った。
ユーロ/ドルは0.4%高の1.1681ドル。ポンド/ドルは0.6%高の1.3488ドル。主要通貨に対するドル指数は0.5%安の97.969。
バノックバーン・フォレックス(ニューヨーク)のチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp)以上下落した」とし、「ドル相場は国債利回りと密接に関連している」と述べた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは11万6788ドルと、1%を超えて下落。トランプ米大統領が18日に暗号資産(仮想通貨)ステーブルコイン規制法案「ジーニアス法」に署名し同法が成立したことを受け、利益確定の動きが出ている。
ドル/円 NY終値 147.38/147.39
始値 147.75
高値 147.76
安値 147.09
ユーロ/ドル NY終値 1.1695/1.1696
始値 1.1644
高値 1.1716
安値 1.1645