最新記事
健康

老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的ファスティング」とは?

2025年3月25日(火)14時55分
デイヴ・アスプリー(起業家、投資家、「ブレットプルーフ」創設者)
細胞

Corona Borealis Studio-shutterstock

<健康と長寿を決定づけるさまざまな要因の中で、遺伝子はかなりあいまいなひとつの要素でしかない。むしろ、食べ方の影響が大きい>

数々のダイエットに挫折してきた著者が、食習慣の進化から「ファスティング」を再定義。

シリコンバレー式 心と体が整う最強のファスティング(CCCメディアハウス)より第2章「分子の力を味方につける」を一部編集・抜粋。


 
◇ ◇ ◇

数十年の間、一流の生物学者の多くが、人間の長寿は主として遺伝子にコントロールされていると主張していた。

たとえばあなたの両親、祖父母、曾祖父母がみな90代まで生きたとしたら、あなたもそうなる可能性は高い。あなたの家族は何にせよ「よい遺伝子」をもっていたわけだ。

それに対し、祖先たちが50歳を待たず亡くなっているとしたら、それはお気の毒なことだ。

いくつかの大規模な研究グループは、センテナリアン「訳注:100歳以上の長寿者]の並はずれた長寿の謎を解く、DNAの特徴を見つけるために、彼らのゲノム配列の解読を続けている。

ニューイングランド・センテナリアン・スタディの研究者は、スーパーセンテナリアン[訳注:110歳以上の超長寿者]に特異的に発現する100以上の遺伝的変異体に注目した(*1)。

しかし、そうした研究の大半が明らかにしたのは、遺伝子は健康と長寿を決定づけるさまざまな要因の中の、かなりあいまいなひとつの要素でしかない、ということだ。

つまりふだんの食事やライフスタイル、その他の日常的な選択も同じように重要なのだ。ただしそれはあなたが思うような意味では必ずしもないかもしれない。

ニューヨーク州バッファローにあるロズウェル・パークがん研究所の老年学者ミハイル・ブラゴスクロニーは、断食などのある種の弱いストレスをかけ続けると、体の自己修復メカニズムを作動させ、寿命を延ばすことができるという、かつて物議をかもした理論の有力な提唱者である。

ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ドイツ自動車輸出、1─9月に約14%減 トランプ関

ワールド

CBS、エルサルバドル刑務所の調査報道を直前延期 

ビジネス

首都圏マンション、11月発売戸数14.4%減 東京

ビジネス

中国、少額の延滞個人債務を信用記録から削除へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 8
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 9
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中