最新記事
健康

老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的ファスティング」とは?

2025年3月25日(火)14時55分
デイヴ・アスプリー(起業家、投資家、「ブレットプルーフ」創設者)

ブラゴスコロニーは重大な影響を与えた論文の中で、「寿命は(a)老化を遅らせる、あるいは(b)老化耐性を高める、のいずれかによって延ばすことができる」と述べている(*2)。

彼のほか、多くの老年学者たちは、老化耐性の向上がまさに弱いストレスの効果だと考えている。


 

数々の実験によって、動物は減食させたほうが長く生きる傾向にあり、ほしがるたびに餌を与えられた動物は明らかに短命であることが証明された。実験室では、こうした減食方法を「カロリー制限」と言う。

いわば極端なかたちの「カロリーイン・カロリーアウト(calories in, calories out 、略してCICO)」ダイエットだが、一見問題のなさそうなこの方法が近年不幸な支持者を増やしている。

実験では一般に、動物に通常与えている餌からカロリーを30%ほど減らす。何をどうカットすればいいかは決まっていない。

アンチエイジングに取り憑かれた人のなかには、動物実験の手法を人間の食事にも取り入れ、単純にカロリー全般を減らせばいいと思っている人がいる。まるで、体重を減らして太らないようにするには、いつもお腹をすかせていなさい──ほとんど永遠に──と謳(うた)う、時代遅れのカロリー計算ダイエットそのままじゃないか。

そんなやり方、長いこと続けられないのも当然である。それはまさに苦しいダイエットの代名詞だ。CICOダイエットしかり、長期間のカロリー制限ダイエットしかり。

どんな食品を体に入れるかをいっさい顧みないのならばなおのことだ。それが長生きするためのただひとつの方法だというなら、少なくとも一部の人々にとっては価値があるのかもしれない。

けれどもほとんどの人は、カロリー制限やそれがもたらす苦痛を長いあいだ我慢することができない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、4.4万件増の23.6万件 季

ビジネス

中国経済運営は積極財政維持、中央経済工作会議 国内

ビジネス

スイス中銀、ゼロ金利を維持 米関税引き下げで経済見

ビジネス

EU理事会と欧州議会、外国直接投資の審査規則で暫定
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 3
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 7
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中