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【現地発】「戦争前夜」ロシア国民の心理と論理
アフガンとAUKUSの影響
ロシアの有力世論調査機関の調査によると、戦争が避けられないと感じているロシア人は全体の3分の1程度にすぎない。それに、ロシアの人々は戦争の代償も強く意識している。
戦争が始まれば、プーチンの立場が弱まると考える人が31%に上るのに対し、立場が強まると考える人は16%にとどまっている。
ロシアの有力な研究者や政権ブレーンたちは、欧米諸国の軍事同盟であるNATOが短期的に見てロシアの脅威になるとは考えていない。欧米のアフガニスタンにおける体たらくを見れば、NATOなど恐れるに足らないと考えている。
それでも、NATOは「敵意をまき散らして、それを栄養にしてはびこる危険なウイルス」のようなものだと、有力政治学者のセルゲイ・カラガノフは記している。「(NATOが)ロシアの国土に近づけば近づくほど、その危険性は増す」
ロシアの知識人たちは、ロシアの中核的な国益が無視され続けてきたと主張する。ヨーロッパの安全保障環境は、ロシア領に極めて近い地域までほぼ全面的に欧米が形づくってきたと、ロシア人は不満を抱いている。
この考え方によれば、国境地帯での部隊増強は欧米主導の安全保障環境をこれ以上容認できないという意思表示として遅すぎたくらいだ。
しかし、ここにきてウクライナ国境近くに大規模な部隊を集結させた理由はどこにあるのか。この点に関して私が最も説得力を感じたのは、ヒョードル・ルキヤノフの説明だ。ロシア政府に外交・安全保障政策を助言する諮問組織のトップを務める大物外交専門家である。
ルキヤノフの見方によれば、プーチンは直感で行動している。じっくり準備した戦略に基づいて動いているわけではなく、現在の欧米に付け込む余地があると考えて行動を起こしたというのだ。
プーチンがそのような判断に至った理由は2つあると、ルキヤノフは分析する。1つは、米軍がアフガニスタンから撤退したこと。ジョー・バイデン米大統領は、アメリカの威信が低下し、自分の政治的立場が悪くなることを承知の上でアフガニスタンにとどまらない決断をした。
もう1つは、アメリカが英豪と共にインド太平洋地域の新しい安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」を発足させたとき、フランスなどのNATO諸国と十分に調整しなかったこと。
プーチンの目には、バイデン政権がアジア重視に転換しつつあり、ヨーロッパをあまり重視していないように見えていると、ルキヤノフは指摘している。
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