コラム

テスラ株急落でも、マスクの新党立ち上げが「負け戦」ではない訳

2025年07月15日(火)14時40分
マスク

マスクは新政党「アメリカ党」の結党を発表したが…… ALGI FEBRI SUGITAーZUMA PRESSーREUTERS

<イーロン・マスクの新ベンチャー「アメリカ党」は共和党にとって深刻な脅威...テスラ株は急落したが、世界一の大富豪は勝算ゼロの戦には挑まない>

自信家の大富豪が自分ならアメリカ政治の長年にわたる常識を覆し、二大政党以外の政党を成功させられると考えるのは、珍しいことではない。

この四半世紀の間にも、スターバックス元会長のハワード・シュルツ、金融ニュースサービスのブルームバーグ創業者で元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ、そしてドナルド・トランプといった面々が第3党もしくは無所属で大統領の座を目指そうとしたが、共和党と民主党の牙城を崩すことはとうていできなかった(トランプは2000年に「改革党」からの大統領選出馬を目指したが、選挙戦の早い段階で撤退した)。


そうしたなかで、1992年に独立系候補として大統領選に挑んだロス・ペローは健闘したと言えるだろう。選挙戦序盤では、共和党のジョージ・ブッシュ(父ブッシュ)と民主党のビル・クリントンをリードし、本選挙でも19%の票を獲得した。

大統領選で最も成功した第3党運動としては、1912年のセオドア・ルーズベルトの例を挙げることができる。元大統領のルーズベルトは共和党の候補者指名を獲得できず、新しい政党「進歩党」の候補者として強力な選挙運動を展開した。それでも、最終的には大差の2位に終わった。

先頃、世界一の資産家であるイーロン・マスクが「アメリカ党」という新しい政党を結成すると発表した。昨年の大統領選でトランプを勝たせるために莫大な富をつぎ込んだ起業家が、トランプの政治路線に真っ向から異を唱えたのだ。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=反落、デルやエヌビディアなどAI関連

ワールド

米、パレスチナ当局者へのビザ発給拒否 国連総会出席

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、月間では主要通貨に対し2%

ワールド

トランプ氏、議会承認済みの対外援助予算を撤回へ 4
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界がうらやむ国」ノルウェーがハマった落とし穴
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 9
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 10
    自らの力で「筋肉の扉」を開くために――「なかやまき…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 7
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 8
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 9
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 10
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story