最新記事
注目ニュースを動画で解説

テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】

2025年3月24日(月)18時54分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
テスラ車とイーロン・マスク

ニューズウィーク日本版公式YouTube

<株価・業績ともに悪化の一途をたどる「テスラ」について解説したアニメーション動画の内容を一部紹介する>

環境意識が高く、先見性のある人々の究極のステイタスシンボルだったテスラ車だが、イーロン・マスクCEOの政治姿勢や言動の影響で売れ行きも世間のイメージも急激に悪化している。

株価は大暴落、業績も行き詰ったテスラの行く末は?──

本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「株価・業績も大暴落【オワコン化】したテスラの行く末は?【アニメで解説】」の内容をダイジェスト的に紹介する。

◇ ◇ ◇

2024年米大統領選でのドナルド・トランプ支持や、今年2月のドイツ総選挙での極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持を経て、イーロン・マスクのイメージは突拍子もない天才億万長者から、保守と同調するインターネットの挑発者へと変貌した。

電気自動車の専門誌「EVマガジン」によると、今年1月のテスラの販売台数はフランスで63.4%、ドイツで59.5%下落し、多少は寛容なイギリスでさえ12%減少したという。

newsweekjp20250324082116-8f4fe64ec15ea4e1c23b8727448dbd14aadb7536.jpg

ヨーロッパでの販売落ち込みは、アメリカと違い、歴史の傷跡が今も残るフランスやスペイン、ドイツのような国では、国粋主義的発言で支持を伸ばす政党への肩入れが売り込みにならない現実を見せつけた。

マスクの言動に幻滅したテスラ車所有者たちは、ハンドメイド商品サイトで「I Bought This Before We Knew Elon Was Crazy(これを買ったのはイーロンがクレイジーだと分かる前)」「Anti-Elon Tesla Club(反イーロン・テスラ・クラブ)」などと書かれたステッカーを購入し、車体に貼ることでマスクに同調していないことを示すなど工夫を凝らしている。

newsweekjp20250324082130-af21bbf1f106b0113c8d8592522e45f47050c799.jpg

また、刻々と変化するEV市場において、テスラはかつてほど絶対的な存在ではなくなっている。スウェーデン「ボルボ」のEX30は飛ぶように売れ、中国「BYD」の存在感は550%増大。独フォルクスワーゲンのEV販売数は20%増を記録した。

newsweekjp20250324082753-b00712ea76f399e24f0b05e4de9bf6924d38620f.jpg

競合他社が新モデルを次々に登場させる一方で、テスラは2021年の「Model Y」以降、ヨーロッパで新車を売り出していない。

1月下旬に発表されたテスラ第4四半期決算はアナリストの予測を下回り、全体的な売り上げはわずかに増加したものの、営業利益は前年同期比23%減の16億ドルに。株価もYahoo!ファイナンスによると年初来で約25%値を下げている。

テスラ「Model Y」

トランプの大統領選勝利を受けて、テスラの株価は大きく上昇。昨年12月半ばには480ドル弱とピークを迎えたが、今年に入ってからは下落が続き、2月25日に株価が8.4%下落すると2024年11月以来、初めて1兆ドルを割り込んだ。

トランプ大統領の就任式が行われた1月20日以降の下落幅は約29%になる。

newsweekjp20250324082918-998297b217d88f5157b891090ed198a0a4a2ef8f.jpg

■より詳しい内容については動画をご覧ください。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米長官、印・パキスタンに緊張緩和要請 カシミール襲

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、米株の底堅さ好感 大手ハ

ワールド

一部の関税合意は数週間以内、中国とは協議していない

ビジネス

米キャタピラー第1四半期、収益が予想下回る 関税影
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中