コラム

シリコンバレー有力者の集まるTEDで彼女はフェイスブックを断罪した/as it stands(現状では)

2019年05月09日(木)18時30分

www.ted.comより

【今週のTED Talk動画】
Facebook's role in Brexit - and the threat to democracy
https://www.ted.com/talks/carole_cadwalladr_facebook_s_role...

登壇者:キャロル・キャッドウォラダー

今年の4月に行われたTEDカンファレンスで注目されたこのトークは、その後ソーシャルメディアで話題になった。とりわけ、シリコンバレーの有力者が集まるTEDで、彼らが生み出した問題をテーマに取り上げることはかなりガッツが必要であることから、彼女は称賛を集めた。

登壇者はキャロル・キャッドウォラダー氏。イギリス人のジャーナリストであり、イギリスのEU離脱を決めた国民投票に対するフェイスブックの広告の影響、そしてその裏に潜む犯罪を長きにわたって調査している。このTEDトークで彼女はそれを報告した。フェイスブックなどのソーシャルメディアを通じてヘイトスピーチが世界中で拡大していることを指摘し、自由民主主義が危険な状態にあると述べている。

イギリスがEU離脱を選んだことやアメリカでトランプが選挙で勝ったことを不思議に感じている人にとって、このトークは参考になる。また、これから世界がどうやってテック企業に対応していくべきなのかを考える材料にもなるので、是非ともお勧めしたいトークである。

キーフレーズ解説

as it stands
現状では
(動画13:46より)

この表現は単なる「今は」という意味ではなく、「今の状況では」というニュアンスを含みます。要するに、「もし今の状況が続けば」や「今の状況から変化がなければ」といった意味になり、ここではstandの「そのままで動かない」という意味が使われています。このTEDトークでキャッドウォラダー氏は、as it standsこれから自由かつ公平な選挙ができないと言っています。

ここでいくつかこの表現を用いた例を紹介します:

●As it stands, I don't think he has a chance of being admitted to Harvard.
(現状では、彼はハーバード大学に合格するチャンスはないと思います)

●The country would struggle, as it stands, to host the Olympics.
(あの国は、今の状況が続けば五輪の開催に苦闘することになるだろう)

●Do you like this version as it stands, or do you want me to make changes to it?
(このバージョンは現状維持でいいですか、それとも変更しましょうか?)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局

ワールド

ポーランドの2つの空港が一時閉鎖、ロシアのウクライ

ワールド

タイとカンボジアが停戦に合意=カンボジア国防省
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story