コラム

「人生の最期に何を望むか?」ホスピスで働く医師が語る/Tease out(見つけ出す)

2016年08月29日(月)17時07分

【今週のTED Talk動画】What really matters at the end of life
http://www.ted.com/talks/bj_miller_what_really_matters_at_the_end_of...

登壇者:BJ ミラー

 BJ ミラー氏は大学の時に事故で半死半生の目に遭った経験から、緩和医療を専門とする医師となり、今はホスピスで働いている。このTEDトークでミラー氏は、終末期にある患者のケアで足りないところを挙げ、それをどうやって変えられるかについて考えを述べている。

 ミラー氏は医療機関がもっと人道的になることを求めており、そのため、このTEDトークでは終末期の患者にとってどんなことが重要なのかを詳しく説明している。末期患者の人生の最期についての彼の話は、「生きること」の本当の意味について深く考えさせられるものとなっている。

【参考記事】抗生物質がまったく効かない暗黒の未来が迫っている/Identify with(~と親近感を持つ)

キーフレーズ解説

Tease out
見つけ出す
(動画3:34より)

 髪の毛に何かが引っかかっている時、それを取り除く過程をtease outと言います。日本語で「~を徐々にほぐす」や「~を少しずつはがす」といった意味合いがあります。この表現には、たくさんの関係のない情報やものの中を探って、価値のあるものを見つけ出そうとするという比喩的な意味もあります。このTEDトークでミラー氏は、tease out suffering which is necessary as it is, from suffering we can change(避けられない苦しみと、変えられる苦しみとを分ける)ことの必要性について語っています。

 ここでいくつか使用例を紹介します:

●The proofreader is skilled at teasing out the errors in texts.
(校正者は原稿の中の誤りを見つけ出すことに長けています)

●It's not easy to tease out something useful from a large amount of unorganized data.
(整理されていない膨大なデータの中から何か役立つものを見つけ出すことは簡単なことではない)

●The media is working overtime to somehow tease out something "positive" from the disastrous economic figures.
(ひどい経済統計から、なんとかして何か「肯定的」なものを見つけ出そうと、マスコミは過剰に働いている)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

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