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真珠湾攻撃から80年、日米の相互和解は果たされたのか?
こうした動きと並行して、ホノルルと長岡の「和解」も実現していきました。2007年には、長岡の森民夫市長と、ホノルルのムフィ・F・ハネマン市長(いずれも当時)によって、日本の花火には死者への追悼の意味があること、そして長岡市が世界でも最も優れた花火の生産地であることから、日米和解の象徴として毎年2月に花火大会を行うことが決められたのです。
この長岡花火による「和解」に加えて、2009年には当時の天皇皇后(現上皇、上皇后)両陛下がカナダ訪問に続いてハワイを訪問された際には、パンチボウルの丘にある国立太平洋記念墓地で献花をされています。こうした流れの延長に、2016年12月末における当時の安倍晋三首相による真珠湾アリゾナ記念館における献花につながっていったのだと思います。
この献花は、同年5月の伊勢志摩サミット後の、オバマ大統領(当時)の広島での献花とセットとなることで、日米の相互献花外交を完結させることとなりました。2019年に急逝されたジャーナリスト松尾文夫氏が主張していた、相互和解はここに完結したのです。こうした一連の和解が積み重なることで、真珠湾の80年がここまで静かな1日になったのだと思います。
日米離反工作に使われる危険性
一つ気になるのは、この重要な真珠湾80年にタイミングを合わせるように、一部の日本の政治家グループが靖国神社に参拝したことです。問題は、1978年以降の靖国神社には、東京裁判で死刑となったA級戦犯が合祀されていることです。以降に参拝するのは、戦犯が被害者であり、その名誉を回復するのが正義だという主張が込めた覚悟の行為と言われる危険があるわけです。
東京裁判は、勝者が敗者を事後法的に裁くという点では、法律論としては問題を残しました。ですが、政治的に見れば、東京裁判は、ポツダム宣言受諾、米軍による占領、サンフランシスコ講和、国際連合設立とを全てセットとして、第二次大戦の戦後処理を構成するものです。ですから、その否定は戦後体制への反逆に繋がります。
つまり政治家の靖国参拝は、場合によっては日米離反工作の口実に使われかねない危険性を持つということです。まして、真珠湾の80年というタイミングは、軽率であると思います。
もちろん、一連の和解の積み重ねに基づいて、日米関係は盤石であり強固な信頼関係が成立しています。ですが、それに甘えて「あくまで内向きの行為」として政治家が参拝をしても良いのかというと、疑問は全くゼロではありません。東アジアの軍事外交については注意の必要な時期だけに、日米離反工作の口実は少しでも減らしておきたいからです。
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