コラム

「ポケモンGO」日本リリースはインバウンド活性化にもなる

2016年07月21日(木)17時40分

 これらの3つの問題というのは、こうした「拡張現実(AR)」という新しいエンターテイメントを社会的に受容していくプロセスにほかなりません。現時点では、スマホ画面での運用が中心ですが、すぐ先にはウェアラブル端末を利用した展開が待っています。そこに前進していくためにも、とりあえず「スマホによるポケモンGO」リリースは成功させなくてはならないでしょう。

 ここへ来てイギリス「EU離脱」絡みの円安も一段落し、日本への来日観光客の数は依然として記録的なペースで増加しています。このような流れの中でポケモンGOのリリース後は、多くの海外からの旅行者が「ポケモンの本家である日本には色々なポケモンがいるに違いない」という期待感を持ってやってくることが予想されます。

 株式会社ポケモンや任天堂など日本側の「ポケモンGO」スタッフは、そうしたインバウンドのプレイヤーに対して「期待を上回るサプライズ」を演出するアイディアを持っているのではないでしょうか。

 海外からの利用者が「日本に来て良かった」と思えるようにするためにも、日本でのリリースは成功させなければならないでしょう。その鍵は、「使わない人」にも理解を促し、「拡張現実(AR)」という概念の理解をひろめることでもあると思います。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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