年金アジアNo.1のシンガポール――「自助努力」重視でも年金は拡充させる
ところで、シンガポールの年金や社会保障は、永住権をもつ外国人も対象になる。国際的に優秀な人材の奪い合いが激しくなるなか、充実した社会保障は移住希望者にとって一つの判断材料になる。シンガポールの社会保障改革は、この点でビジネス支援にもつながっているのであり、縦割りではない改革の成果といえるだろう。
国家としての意志
もちろん、国によって社会のあり方は異なり、ある国でうまくいっても、それがどの国でも当てはまるとは限らない。また、シンガポールの制度も万能ではない。
しかし、老後2000万円問題で「年金100年安心」のキャッチフレーズも色あせ、国際イベントにエネルギーを割くことばかりが目につく日本の状況を振り返れば、社会情勢の変化に合わせて完全でなくとも改革を続けるシンガポールの精神は見習うべきだろう。
いくら昔を懐かしんでオリンピックを開催しようとも、その頃の右肩上がりの社会情勢に戻すことはできないのだから。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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