コラム
私的映画論 森達也
私的映画論 森達也

『太陽を盗んだ男』は今ならば絶対に撮れない、荒唐無稽なエンタメ映画

<バスジャックして皇居に突撃する軍服姿の老人、盗んだプルトニウムで原爆を作る中学教師──。長谷川和彦監督の『太陽を盗んだ男』は、リアリティー

2021.01.13
私的映画論 森達也

塚本晋也が自主製作映画『野火』で描いた、戦争の極限状態と日本兵の人肉食

<原作は大岡昇平。ぼろぼろの軍服でレイテ島をさまよう敗残兵たちは、互いを「貪り食う」ため殺し合う──。脚本・監督・撮影・主演・製作の全てを担

2021.01.03
私的映画論 森達也

騒音おばさんを映画化した『ミセス・ノイズィ』はまるで現代版『羅生門』

<2005年、テレビとネットを中心にクローズアップされた奈良の騒音おばさん。嫌がらせであったのは確かだが、なぜメディアはこの程度の軽犯罪の容

2020.12.10
私的映画論 森達也

冷酷で優しい『永い言い訳』は女性監督の強さ故か

<破調と乱調、これが随所にちりばめられている。相反する要素を絡み合わせて物語に紡ぎあげるのは、二律背反を身のうちに抱え込む西川美和ならでは>

2020.11.20
私的映画論 森達也

小津安二郎の『東京物語』はイメージよりもエグイ......でもやっぱり窮屈

<大学の映画サークル時代、半ば義務感で観た『東京物語』の内容はほとんど記憶に残っていなかった。つまり「刺さらなかった」のだが、40年近く過ぎ

2020.11.12
私的映画論 森達也

『絞死刑』は大島渚だから撮れた死刑ブラックコメディー

<実際に起きた小松川高校事件を題材にしているが、全体のトーンはスラップスティックなブラックコメディー。映画を通して国家権力と闘い続けた大島渚

2020.11.06
私的映画論 森達也

1人の男と2人の女、突き放される3人の子供 本当の「鬼畜」は誰なのか

<既に大女優の地位にいた岩下志麻と小川真由美がとんでもない悪女を演じ、おどおどと言い返せない小心者には緒形拳。政治家は組閣のときに気安く言う

2020.11.02
私的映画論 森達也

ロマンポルノの巨匠が紡ぐ『(秘)色情めす市場』は圧倒的な人間賛歌

<監督の田中登は絶対に生を否定しない。あいりん地区の季節労働者たちと娼婦の主人公。登場する女や男たちはとにかく生きることに前向きで...>

2020.10.15
私的映画論 森達也

「反日映画」と呼ばれても... 復讐劇『アジアの純真』は萎縮も忖度もしない

<チマチョゴリを着た女子高生と思いを寄せる主人公。通学途中に若い男たちに刺殺されてしまう彼女には双子の妹がいた。報復を決めた妹と主人公の男子

2020.10.13
私的映画論 森達也

90年代渋谷の援交を描く庵野秀明監督『ラブ&ポップ』の圧巻のラスト

<『新世紀エヴァンゲリオン』『シン・ゴジラ』監督の庵野が初めて手掛けた実写映画。トパーズの指輪が欲しい女子高生と奇妙な性癖の男たち。何かを欲

2020.10.09
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例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

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