コラム
私的映画論 森達也
私的映画論 森達也

『絞死刑』は大島渚だから撮れた死刑ブラックコメディー

<実際に起きた小松川高校事件を題材にしているが、全体のトーンはスラップスティックなブラックコメディー。映画を通して国家権力と闘い続けた大島渚

2020.11.06
私的映画論 森達也

1人の男と2人の女、突き放される3人の子供 本当の「鬼畜」は誰なのか

<既に大女優の地位にいた岩下志麻と小川真由美がとんでもない悪女を演じ、おどおどと言い返せない小心者には緒形拳。政治家は組閣のときに気安く言う

2020.11.02
私的映画論 森達也

ロマンポルノの巨匠が紡ぐ『(秘)色情めす市場』は圧倒的な人間賛歌

<監督の田中登は絶対に生を否定しない。あいりん地区の季節労働者たちと娼婦の主人公。登場する女や男たちはとにかく生きることに前向きで...>

2020.10.15
私的映画論 森達也

「反日映画」と呼ばれても... 復讐劇『アジアの純真』は萎縮も忖度もしない

<チマチョゴリを着た女子高生と思いを寄せる主人公。通学途中に若い男たちに刺殺されてしまう彼女には双子の妹がいた。報復を決めた妹と主人公の男子

2020.10.13
私的映画論 森達也

90年代渋谷の援交を描く庵野秀明監督『ラブ&ポップ』の圧巻のラスト

<『新世紀エヴァンゲリオン』『シン・ゴジラ』監督の庵野が初めて手掛けた実写映画。トパーズの指輪が欲しい女子高生と奇妙な性癖の男たち。何かを欲

2020.10.09
私的映画論 森達也

無様なのにキラキラ輝く『ばかのハコ船』は原石のよう

<観終わった僕は打ちのめされた。とんでもない映画を観てしまった、と。明確な起承転結はないし山場もない。だけど映画でしかありえない作品だ> 「

2020.10.06
私的映画論 森達也

虚と実が融合する『仁義なき戦い』は何から何まで破格だった

<フィックスでの撮影が前提だったなか、カメラワークは手持ちブン回し。とにかくリアルな悪党面した俳優陣。現役ヤクザの演技指導──。あまりにメジ

2020.10.01
私的映画論 森達也

昭和天皇の写真を焼き、その灰を踏みつける──『遠近を抱えた女』を直視したなら

<「あれだけは許せない」と多くの人が怒った。焼くという行為は「侮蔑」か「昇華」か。判断は観た側に委ねられる> 「あいちトリエンナーレ」の展示

2020.09.25
私的映画論 森達也

武士道と死刑制度──『花よりもなほ』で是枝裕和が示した映画の役割

<死刑制度を下支えする世相は理論よりも感情がベースになっている。『誰も知らない』と『歩いても 歩いても』に挟まれたこの時代劇はあまり話題にな

2020.09.18
私的映画論 森達也

最前線にいた元皇軍兵士14人が中国人への加害を告白──『日本鬼子』の衝撃

<捕虜の生体解剖や生体実験を行っていた731部隊員、南京虐殺に加担した兵士、捕虜の大量処刑に関わった憲兵。年老いた彼らが淡々と語るかつての加

2020.09.17
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