コラム
私的映画論 森達也
私的映画論 森達也

制作期間は7年超、アニメ映画『音楽』は全てがシンプルだからこそ斬新で衝撃的

<不良高校生3人がふとバンドを始め、適当に出した「音」に覚醒する──潔さが過ぎるほど淡白なタイトルで、ストーリーにも劇的な要素は一切ない。な

2022.02.17
私的映画論 森達也

映画『泥の河』に隠されたテーマ 巨大な鯉は死と再生のメタファー...だけではない

<1956年、誰もが貧しかった大阪で交錯する2つの家族──小栗康平監督が作品全体で暗示するのは、少年の成長だけではない> サンフランシスコ平

2022.01.26
私的映画論 森達也

「抗議があったから中止する」あいトリを筆頭に相次ぐこのパターンは深刻な危機だ

<家の敷地内に小屋を作り、精神障害者を家族が閉じ込める「私宅監置」について取り上げたドキュメンタリー映画『夜明け前のうた』が文化庁の文化記録

2022.01.12
私的映画論 森達也

松元ヒロが被写体の映画『テレビで会えない芸人』に感じたTVマンの歯ぎしり

<舞台はいつも大入り。でもテレビで見ることはまずない──多数派が形成する欺瞞の安定、表層的な調和にヒロさんは笑いの刃(やいば)を突き立てる>

2021.12.30
私的映画論 森達也

様式美がクセになる『男はつらいよ』シリーズの不器用で切ない例外

<旅先で出会ったマドンナに寅次郎が恋心を抱き、相手もまた信頼を寄せる。それでも最後にはマドンナの恋人が現れ、傷心の寅次郎は再び旅に出る──ス

2021.12.10
私的映画論 森達也

薄っぺらで気持ち悪い在日タブーを粉砕した映画『月はどっちに出ている』の功績

<原作・監督・脚本は全員在日。重いテーマがコメディだからこそ深く刺さる。画期的な作品『月はどっちに出ている』が、邦画の世界にもたらした影響と

2021.11.25
私的映画論 森達也

映画『村八分』で描かれる閉鎖性は、日本社会の縮図であり原点

<法よりも道徳が大切? 村ぐるみの替え玉投票を告発した女子高生とその家族に向けられる怒り──テーマはまさしく同調圧力だ> 決め付けて申し訳な

2021.11.12
私的映画論 森達也

話題作『由宇子の天秤』に足りないのは? 春本監督に伝えたいこと(森達也)

<カメラは由宇子と共に動いてゆく。由宇子がいないシーンはほとんどない。徹底して禁欲的な手法は理解するが、見ながら不満がたまってゆく。志は大い

2021.10.26
私的映画論 森達也

「欠点がない」のが欠点 緒方明『いつか読書する日』は熟年男女の究極の物語

<市役所に勤める50歳で妻帯者の高梨と、心に秘めた女性・美奈子。2人は高校の同級生でありながら目を合わせない。美奈子はなぜ今も独り身なのか。

2021.10.14
私的映画論 森達也

遊郭でほぼ完結する『幕末太陽傳』は今も邦画のベスト10に入る

<緻密なストーリーと軽快なタッチ──笑いの後にやってくるラストの疾走は、難病で他界した川島雄三監督にとって必然だったかもしれない> 『幕末太

2021.09.30
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