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トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算

U.S. Allies Play Risky Game With Tilt to China

2026年2月2日(月)17時22分
マシュー・トステビン(本誌米国版シニアエディター)
英首相スターマーと習近平国家主席が北京で会談

まるで「朝貢」? 8年ぶりに中国を訪問した英首相スターマーと習近平国家主席が会談(1月29日、北京)Carl Court/Pool via REUTERS

<フランスやイギリスなど欧州諸国の中国詣でが続いているが、習近平に見透かされて成果は限定的。対中接近がトランプ政権との新たな摩擦を生む可能性もある>

英国のキア・スターマー首相が行った中国訪問は、スコッチウイスキー輸出にかかる関税の5%引き下げを引き出した一方で、ドナルド・トランプ米大統領から厳しい警告を受ける結果となった。

トランプはこれを「非常に危険だ」と表現した。

もっとも、スターマーは最近中国を訪問し、習近平国家主席と会談したNATO加盟国首脳の一人に過ぎない。長年の慣行に挑戦し、友好国と敵対国の区別なく関税戦争を仕掛け、グリーンランドやカナダの併合にまで言及してきた米国大統領の予測不能な言動を受け、西側諸国の多くは外交関係の新たなバランスを模索し始めている。

スターマーの前には、フランスのエマニュエル・マクロン大統領やカナダのマーク・カーニー首相も中国を訪問している。ドイツのフリードリヒ・メルツ首相も2月に訪問する予定で、トランプ自身も4月に訪中する。

だが、かつて安全保障上の脅威と位置づけ、人権侵害を批判してきた中国に接近しても、欧州諸国やカナダは期待したほどの経済的成果を得られないばかりか、依然として最大の貿易相手国で軍事的な超大国でもある米国との関係をさらに悪化させる可能性もある。

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