対中接近を阻む価値観の相違

「英国やカナダといった米国の同盟国が、長年の緊張を経て中国との関係安定を模索していることは重要だ」と、ベルリンに拠点を置くメルカトル中国研究所の上級アナリスト、エバ・ザイヴェルトは本誌に語った。

「ただし、重点は戦略的再編ではなく、実利的な経済関与にあり、指導者たちは安全保障や防衛面での米国との関係は変わらないと繰り返し強調している」

米国の同盟国は中国との協力について冷静な認識を持っていると、ワシントンのブルッキングス研究所、ジョン・L・ソーントン中国センターおよびアジア政策研究センターのフェロー、パトリシア・M・キムは指摘する。

「多くの米国同盟国は、政治的・外交的な意見の違いを理由に中国から輸入停止を受けるなどの経済的報復を経験しており、中国の過剰生産能力が自国産業や貿易収支に与える影響についても長年懸念してきた」と彼女は本誌に語った。

「価値観や統治をめぐって中国との根深い相違も続いている。米国との緊張がある中でも、これらの現実が、中国への接近の足枷になっている」

高市発言の日本は逆コース