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「アマゾンのリーダー」を演じるブラジルのルラ大統領...COP30で狙う「政治的野心」とは
河川のダム建設は水路の変化、堆積、種の絶滅、森林地帯の浸水、保全活動家の追放など、気候危機をますます悪化させている。世界中の河川住民や漁師は、鉱物資源の採掘や化学物質の流出による汚染に苦しんでいる。
自らを「アマゾンのリーダー」として演出するルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領は今回COP30の「目玉成果」として熱帯雨林を守るための新しい国際ファンド(TFFF)の立ち上げと、持続可能な燃料の利用量を4倍に増やすベレン宣言を主導する。
「初めてグローバルサウスが森林問題で主導的な役割」
トランプ米政権はパリ協定離脱を控え、欧州連合(EU)は財政疲弊、途上国は資金要求を強化という状況下で、ルラ大統領は「森」「燃料」「アマゾン」を軸に議長国として存在感を出そうとしている。ブラジルはTFFFに10億ドルを先行拠出した。
TFFFに53カ国が賛同し、55億ドル超が拠出された。ノルウェーは今後10年間で30億ドルを拠出すると約束。インドネシアも10億ドルの拠出を再確認し、ポルトガルは100万ドルを拠出。フランスは一定の条件下で2030年までに最大5億ユーロの拠出を検討する意向を示した。
ルラ大統領は「TFFFは前例のない取り組み。歴史上初めてグローバルサウスが森林問題で主導的な役割を果たすことになる。TFFFはCOP30の『実施の精神』を体現する具体的な成果の一つとなる。アマゾンでこの一歩を踏み出したことを誇りに思う」と胸を張った。
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