コラム

「アマゾンのリーダー」を演じるブラジルのルラ大統領...COP30で狙う「政治的野心」とは

2025年11月13日(木)20時34分
COP30でアマゾンのリーダーを演じるブラジルのルラ大統領

アマゾン河口で行われたボートパレード(筆者撮影)

<COP30の開催を機に「ブラジルは森林の主権者」「世界の気候の守護者」というストーリーを国際社会にアピールしたいブラジルのルラ大統領>

[ブラジル北部パラー州ベレン発]11月12日午前、約60カ国5000人の参加者を乗せた200隻以上のボートがグアジャラ湾に集結、筆者も乗船した。誤った気候変動対策を非難し、持続可能な答えは水域・地域、森林に住む人々が先祖伝来の慣習を大切にして抵抗することにあると訴えた。

パレードはピープルズ・サミットの会場であるパラー連邦大学を出発、アマゾン河口を3時間近くパレードした。ヴィラ・ダ・バルカは高床式の水上集落が密集する貧しい地区で、道路や下水道といった都市インフラが整わず、トイレや排水設備のない生活を強いられている。

長年十分な支援や開発投資を怠ってきた市や州政府に地域社会は何十年も抵抗し、生活を守ってきた。しかし不動産開発業者が水辺の土地を買い占めようとしている。国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)の開催に合わせ当初は下水処理場が建設される予定だった。

河川のダム建設は気候危機をますます悪化させている

しかし異常気象の影響を最も受ける人々を無視して観光地化が進んだ。「私たちは一致団結しており、このパレードは歴史的な出来事になると信じている」とピープルズ・サミット政治委員会のメンバー、イウリー・パウリーノ氏は力を込める。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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