コラム

70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物価高とスマホ依存が奪う「つながり」

2025年12月19日(金)12時15分
孤独な男性のイメージ

孤独や孤立は世界中で問題になっている KieferPix-shutterstock

<「タバコ15本分に匹敵する」と言われる孤独の健康被害。大学寮という共同生活の場ですら「隣人を知らない」学生が急増している>

[ロンドン発]英国の大学寮で暮らす学生の70%が孤独や孤立を感じていることが学生寮プロバイダー「PfPスチューデンツ」と世論調査会社「オピニウム」の調査で浮き彫りになった。住宅費の負担や過度のスマートフォン依存がつながり作りを制限しているという。

【動画】社会的に孤立すると脳に何が起こる?


現在、心理学部最終学年(3年)のレイチェル・ホロビンさん(20)は初めて実家を離れ、全く馴染みのない場所にやって来た時、圧倒されるような不安を感じた。 「完全に独りで暮らす。サポートネットワークがあると感じることは本当に難しくなる」

大学1年の時はいつも孤独を感じていた。フラットメイツは彼女に全く関心がなかった。友達の輪にも入れてもらえず、すべてから取り残された時は恐ろしかった。クリスマス休暇明けに戻ってきて「もうここには住みたくない」と思ったが、他に行く場所がなかった。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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