投資・資産運用
投資

【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレアアース規制で資金が流れ込む3社とは?

2026年01月21日(水)17時10分
佐々木達也(証券アナリスト・金融ライター)
レアアースと日中国旗

レアアースをめぐる日中の動きで関連株の物色が広がる Adobe Stock

<中国の輸出規制をめぐり、株式市場では国産レアアース関連株への物色が広がっている。脱・中国に向けた取り組みと、海洋採掘に強みを持つ古河機械金属が投資家の関心を集める理由とは>

中国による日本向けレアアース輸出の規制や管理強化を受け、産業界が色めき立っています。ハイテク産業の「ビタミン」とも称されるレアアースは、次世代産業の競争力を左右する戦略物資であり、資源の安定確保は喫緊の課題です。

株式市場でも、供給網(サプライチェーン)の再構築を巡る思惑から、関連銘柄への活発な資金流入が見られます。

レアアースはなぜ中国のシェアが高いのか?

レアアース(希土類)は17種類の元素の総称で、レアメタルの一種です。特に強力な永久磁石に不可欠な元素を含み、EV(電気自動車)の駆動モーターや風力発電機、さらには防衛装備品にも多用されます。経済安全保障の観点から、その安定供給は最優先課題の一つとされています。

現在、世界のレアアース生産量の約7割を中国が占めています。その最大の要因は「環境コスト」にあります。

レアアースの精製過程では、副産物として放射性元素が発生するほか、強酸・強アルカリの有害な廃液・排ガスが生じます。先進国では厳格な環境規制により処理コストが膨大になりますが、中国は相対的に緩い規制を背景に、安価な精製工程を請け負うことで圧倒的なシェアを築いてきました。

脱・中国への国際連携と日本の取り組み

中国依存からの脱却は、日本のみならず西側諸国共通の課題です。主要7カ国(G7)は、有志国間で連携してサプライチェーンを整備し、特定国への依存度を引き下げることで合意しています。

日本は2010年の尖閣諸島沖での衝突事故後、中国による対日輸出制限で産業界が大きな打撃を受けた教訓から、調達先の多様化、リサイクル技術の確立、代替素材の開発を加速させてきました。

2025年には、フランスの重レアアース精製プロジェクトに対し、日仏両政府の支援のもと、岩谷産業<8088>や独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が連携。長期供給契約を締結するなど、海外での権益確保が具体化しています。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

欧州委員長、EUの自立加速訴え 無法化する世界に備

ビジネス

英バーバリー、年末商戦の販売が予想上回る 中国でZ

ワールド

中国、グリーンランド巡る米欧対立から距離 「影響力

ワールド

中国、新しい在英大使館建設計画は関連法順守=外務省
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 4
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 5
    「耳の中に何かいる...」海で男性の耳に「まさかの生…
  • 6
    「死ぬところだった...」旅行先で現地の子供に「超危…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    飛行機よりラク? ソウル〜釜山「110分」へ――韓国が…
  • 9
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 10
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 8
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 9
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中