トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は15日、2日間の国賓訪問を締めくくる会談を行う。今回の訪問では華やかな歓迎式典やビジネスでの合意が目立っているが、習氏が台湾問題への対応を誤れば米中関係が「極めて危険な状況」に陥りかねないと警告する場面もあった。

トランプ氏にとって今回の訪中は1期目の2017年以来。中間選挙を控え、低迷する支持率を回復させるため具体的な成果に期待を寄せている。両首脳はこの日、茶会と昼食会を行う予定だ。

両国は昨年10月に成立した貿易休戦の維持に意欲を示している。現行の休戦では、トランプ氏が中国製品に対する3桁の関税を停止する一方、習氏は電気自動車(EV)から兵器に至るまで幅広い製品の製造に不可欠なレアアース(希土類)の輸出規制を撤回した。また、相互の貿易・投資を支援する枠組みや、人工知能(AI)も議題になっているとみられる。

またトランプ氏はイラン戦争を巡り、終結に向けて合意を結ぶようイランに働きかけることを中国に求めると予想されている。

米国が公表した14日の会談内容に関する要約では、両首脳が共通して望む課題としてホルムズ海峡の通航再開が挙げられた。また、習氏は中国の中東産原油への依存度を低減させるため、米国産原油をさらに購入することに関心を示したという。

トランプ氏は米FOXニュースに、中国がボーイングの航空機200機を発注することに合意したと明かした。中国による米商用航空機の購入は約10年ぶりとなる。ただ、報道では売却機数は500機を超えるとされていたことから、14日の米国市場でボーイング株は4.7%下落した。

中国外務省によると、習氏はトランプ氏に対し、13日に行われた米中の貿易交渉団による予備協議が「均衡の取れた前向きな結果」に達したと述べた。

一方、台湾問題を巡る習氏の発言は、前例がないとまでは言えないものの強い警告となった。中国外務省によると、習主席が台湾問題について言及したのは、2時間以上に及んだトランプ氏との非公開会談の場だった。中国側が公表した会談の要旨には台湾に関する言及があるものの、米国側が公表した要旨には台湾の言及はない。

トランプ氏に同行しているルビオ国務長官は、首脳会談で台湾問題が取り上げられたことを確認。NBCニュースに対し「中国は常にこの問題を提起する。われわれは常に自国の立場を明確にした上で、他の議題へと移る」と述べた。

トランプ氏は、世界遺産の天壇で習氏と並んで写真撮影に応じた際、台湾について議論したかとの質問には答えなかった。

[ロイター]
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