最新記事
安全保障

少子高齢化は国防の危機──社会保障を切り捨てるロシアや中国にNATOはどう対抗するのか

NATO Has a Birth Rate Problem

2026年2月2日(月)21時36分
マイカ・マッカートニー
アクロバット飛行を披露するトルコ空軍

欧州最大級の安全保障・軍事展示会でアクロバット飛行を披露するトルコ空軍。NATO加盟国中、最も出生率が高かったトルコも今や少子化に脅かされている(2025年9月21日、チェコ共和国モシュノフ) Artur Widak via Reuters Connect

<冷戦以降で最も安全保障環境が悪化する中、民主主義国家が社会保障と防衛を両立させていくには大きな痛みが伴う>

トルコはNATO加盟国の中でも人口が最も若い国だが、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の言う「人口動態の災害」とも言える状況が続き、2025年も出生数が減少した。

人口8500万人を擁し、軍事力を拡大させてきたトルコは、数十年にわたりNATO加盟国の中で合計特殊出生率(女性1人が生涯に産むと見込まれる子どもの数、TFR)が最も高く、2016年には女性1人当たり2.1人と、人口を自然に維持できる水準にあった。

だがトルコ統計局によると、2024年末時点でTFRは1.48まで低下した。長期的な景気低迷、生活費の上昇のほか、若者の間で結婚や出産を前提としない価値観が広がっていることも出生率低下に拍車をかけている。

このままでは、トルコだけでなくNATO全体が必要な防衛力を維持できなくなるとの危機感が高まっている。

IMFによれば、世界人口の約3分の2が暮らす高所得国・中所得国の大半で出生率が人口維持に必要な人口置換水準を下回っている。

多くのNATO加盟国では、今後数十年でさらに少子化が進み、年金や医療など公的支出が増大し、防衛予算も圧迫される。

日本企業
変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本のスタートアップ支援に乗り出した理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インド26年度予算案、財政健全化の鈍化示す フィッ

ビジネス

ウォーシュ氏のFRB資産圧縮論、利下げ志向と両立せ

ワールド

米特使、イスラエルでネタニヤフ首相と会談へ=イスラ

ワールド

シンガポール、宇宙機関を設立へ 世界的な投資急増に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 3
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 6
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 7
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 8
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 9
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 10
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中