コラム

16歳未満はアカウント持てず...オーストラリアで「SNS禁止令」、いじめや性犯罪から子供を守れるか?

2025年12月03日(水)18時34分
オーストラリアで子供のSNS禁止令

Tada Images/Shutterstock

<顔写真のAI分析や身分証アップロードで年齢確認。テック大手は「子供の安全確保の必要性」は認めながらも年齢一律禁止措置には否定的>

[ロンドン発]オーストラリアでは12月10日からTikTok、インスタグラム、スナップチャット、X(旧ツイッター)、フェイスブック、ユーチューブなどソーシャルメディア企業は16歳未満にアカウントを持たせない「合理的措置」を取る義務を負う。

ログインしない受動的な閲覧は引き続き可能とされる。

違反企業には最大4950万豪ドルの制裁金が科される。年齢確認の中核となるのが顔画像のAI(人工知能)推定や身分証アップロードの組み合わせで、豪政府は「技術的障害は大きくない」と結論づけるが、業界との溝は深い。プライバシーや誤認識を巡る懸念も報告されている。

オーストラリアではすでに公立校でのスマホ持ち込み・使用禁止が全国的にほぼ導入済み。今回の措置は学校内の規制から家庭・社会全体の規制へと一段とギアアップした形だ。ドナルド・トランプ米大統領はこれまで米国のビッグテックを攻撃する国には立ち向かうと表明してきた。

SNS企業は表向き賛同も年齢一律禁止には否定的

主要プラットフォーム企業は表向き「子どもの安全確保の必要性」には賛同するものの、年齢一律禁止措置には否定的で、法的・技術的懸念を示す。米メタは「安全対策は必要だが、年齢禁止は効果的ではない。技術面にも無理がある」と反発する。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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