コラム

16歳未満はアカウント持てず...オーストラリアで「SNS禁止令」、いじめや性犯罪から子供を守れるか?

2025年12月03日(水)18時34分

ユーチューブを擁する米グーグルは「オンラインリテラシー教育と保護者ツールの強化が本筋。一律禁止は実効性に乏しい」との立場。禁止措置の実施を担うオーストラリアのオンライン安全監察官は米議会での証言を求められている。

オーストラリアのアニカ・ウェルズ通信相は英BBC放送(12月2日付)に「SNS禁止措置に反対するビッグテックに脅されることはない。もしワシントンが介入してきても対応する準備はできている。親たちの側にしっかり立つつもりだ」と強調した。

学校でのスマホ禁止で「いじめ減った」などの効果

「ビッグテックは害を示す研究があるにもかかわらず、慣行を正すのに15〜20年の期間があった。私たちが最初の国になることを誇りに思う。私たちが関心を持っているのは良い公共政策を作るよう税金を払っている納税者に義務を果たすことだ」(ウェルズ通信相)

自傷・ポルノ・陰謀論への曝露減少、通知や無限スクロールによる睡眠不足や学習集中阻害の軽減に加え、同調圧力も弱まり、メンタルヘルス悪化リスクを下げる効果が期待される。現に豪仏の学校でのスマホ禁止は「集中しやすくなった」「いじめが減った」との効果をもたらした。

しかし学校でのスマホ禁止と同様、エビデンスはまだ限定的で、長期的な影響については研究が分かれている。

豪政府が「親を後押しし、メンタルヘルスと安全を守る世界初の改革」と位置づける今回の規制を多くの保護者団体が支持している。いじめ、自傷コンテンツ、オンライン性犯罪から子どもを守るというメッセージは前向きに受け止められている。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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