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「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるのに......「日本人ファースト」に追い詰められる子どもたち

2026年3月3日(火)21時00分
大橋希(本誌記者)

<『仮放免の子どもたち』の著者・池尾伸一に聞く、厳格な在留管理の下で苦しめられている非正規滞在の子どもたちの現実>

外国人に対する不安や不満が国民の間に広がっているという認識の下、高市政権は在留管理の強化や土地取得規制など厳格な「外国人政策」を取り始めている。これを歓迎する声もあれば、今後も日本社会で外国人が増えることが確実ななか、排外主義につながることを危惧する声も上がる。

外国人の中でもここ数年、SNSを中心に批判の的になっているのが埼玉県川口市に多く在住するクルド人(トルコ国籍)だ。その多くは難民申請をしているが認められず、「仮放免」の状態にある。


「仮放免」とは、超過滞在(オーバーステイ)や難民申請の不認定などで収容令書または退去強制令書が出された外国人に、一時的に収容施設の外で生活することを認める制度。就労の禁止や移動の制限、国民健康保険への加入不可などの条件がある。

それら制約のしわ寄せを最も受けるのが子どもたちだ。高熱を我慢して意識を失い救急車で運ばれたところ、インフルエンザで24万円超の医療費を請求されたクルド人学生。小学校を除籍されたクルド人少女。クルド人の父が強制送還されたため第三国の韓国で会うしかない3歳の少女――。

こうした現状と彼ら(クルド人以外も登場する)のリアルな声を伝える一冊が、池尾伸一著『仮放免の子どもたち 「日本人ファースト」の標的』(講談社)だ。

非正規滞在ではあるものの出生時や幼少期から日本に暮らす子供たちにとって、実質的には日本が母国。だが、その点について人道的配慮がなされることはほとんどない。「外国籍の子どもたちをとことん追い詰め一度きりの人生を台無しにしてしまうような国で、本当に共生は成り立つのか」と池尾は記す。

仮放免をめぐる21家族の物語とともに、日本の外国人政策の問題点などをまとめた池尾に本誌・大橋希が話を聞いた。

◇ ◇ ◇

――取材を始めるきっかけは、2022年夏に「仮放免の子どもたちによる絵画作文展」を見たことだったというが、同じ頃に、今や「日本人ファースト」を訴えて支持を集める参政党が初めて国会で1議席を獲得した。ここ3年ほどで「外国人問題」が何かと話題に上るようになったが......。

私が取材を始めた頃は、いわゆる「外国人問題」は日本人の関心の外だった。ところが今は非常に悪い形で問題がクローズアップされ、排外主義的な空気が強くなっている。

一つの理由は、23年6月の入管難民法の改正です。これにより3回目以降の難民申請の場合、不認定になったら強制送還できるようになった。

そして大きな転機になったのが、昨年の参院選だ。「日本人ファースト」をうたう参政党が「外国人が不当に生活保護を受けている」「外国人の犯罪が増えている」といったことを言い出し、大きな支持を集めた。

当時、裏金問題などで危機感のあった自民党がこれに便乗しようとした。自民党の幹部が私の同僚記者にこんなことを言ったんです。「外国人たたきっていうのは、うけるんだよ」。

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