――取材をする中で、これは無理な難民申請だと感じたケースはあったか。
この人は難民ではないだろう、という人もいることはいる。でも、普通に考えて難民だろうという人の方が圧倒的に多い。
日本に来る前に、日本の難民認定が厳しいことを調べなかったのかなとは思う。難民の受け入れは、アメリカは2024年前半だけで約3万5000人、イギリス、ドイツは2024年で4万人前後だが、日本はわずか190人。認定率は2.2%ほどだ。でも迫害されたり、逮捕されそうになり、認定率を調べる暇もなく、わらにもすがる思いで来たという人もいる。
――著書に描かれているのは辛い話がほとんどだが、最後に紹介されている、日本語を教えるボランティアなど若者を中心にした活動には少し希望が見える。今の教室ってすごく国際化していて、川口ならクラスに30人いるうち7人ぐらいはクルド、中国、ネパールなどという小学校もある。だから若い世代は偏見がなくなってきている。
彼らは私たちの世代以上に、友達として外国人と接点を持っている。そういう人たちが動き出しているのは希望です。
日本語の習得は共生の第一歩だが、例えば今は小学校で日本語に苦労している児童がいても、それを教えるシステムが不足している。政府には予算を付けて、そこを後押しするようなことをやってほしい。
政府がやるべきことは、共生のために日本語を学ぶ環境を整えたり、度を超した誹謗中傷やスピーチを規制したりすることだ。でも今はそうしたことに本気で取り組まず、外国人を厳しく取り締まることに注力するだけになっている。
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