2026年2月24日以降、通商法122条に基づき米国への輸入品の多くに一律10%の追加関税が上乗せされている。それまで追加関税の根拠となっていたIEEPA(国際緊急経済権限法)は、同月の最高裁判決で関税権限を否定された。122条は、大統領に対し、国際収支上の深刻な問題に対応するため、最大150日間、最大15%の一時的輸入追加関税を課す権限を与える条文である。

今回の10%追加関税は、7月24日午前0時1分(米東部時間)に失効する。大統領自身には延長権限がなく、延長できるのは連邦議会だけだ。

122条をめぐっては、5月7日、米国国際貿易裁判所(CIT)が、この10%追加関税の根拠となる大統領布告について、122条が求める国際収支赤字を示していないとして、一部原告に略式判決と恒久的差止命令を認めた。政府はこれを不服として連邦巡回控訴裁判所に控訴し、同裁判所はCIT判決の効力を一時的に停止した。

その一方で、CITは政府による執行停止申立てを退けた。現状では、救済はあくまで原告だけが対象であり、大半の輸入者については徴収が継続している。

日本企業にとって重要なのは、10%追加関税が7月24日に失効する可能性が高い一方で、トランプ政権は追加関税を別の仕組みで続けるつもりでいることだ。では、日本企業はトランプ政権による今後の関税政策の動きについて何を理解すべきで、さらに、どう備えるべきだろうか。

政権はここ数カ月、122条の役割を232条と301条に移し替える方針を示してきた。そのため、「122条が終わるかどうか」だけではなく、どの分野で、いつ新たな追加関税が発動されるのかに注視する必要がある。

第1の柱である通商拡大法232条は、商務省が「米国の国家安全保障を脅かす」と判断した輸入品について、大統領が輸入調整措置を取る権限を与える規定だ。122条とは異なり、232条には期限も税率上限もない。

日本企業にとって実務上の意味が大きい変更点
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