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中国との通商交渉で、今のアメリカはロープを背にして防戦一方──に見えなくもない。

ホワイトハウスに復帰した直後から、ドナルド・トランプ米大統領は中国に貿易戦争を仕掛け、昨年4月には一時的だが145%の高率関税を課した。年間を通じても実質的な関税率は40%前後で、従来の水準の倍以上だ。中国製品をアメリカ市場から締め出せば、中国側は折れて自国の市場を開放し、対米貿易黒字を減らそうとするに違いないと、アメリカ側は踏んでいた。対米輸出(2024年実績で約5000億ドル)に依存する中国政府に打つ手はないと、スコット・ベッセント財務長官が豪語したこともある。

しかしトランプの関税パンチで沈んだ多くの国と違い、中国はひるまず強烈なパンチを返してきた。報復関税を発動した上、生産国として圧倒的に強いレアアースを武器に反撃した。重要な産業資材であるレアアースの供給を絞り、自動車から航空機、兵器に至る米国内での生産を脅かした。アメリカは実質的に降参し、最強の関税攻撃の一部を撤回した。

5月14〜15日に北京で開かれた首脳会談でも、アメリカはレアアース輸出規制の発動延期の継続を求める一方、農産物とエネルギーの追加購入という約束をもらい面目を保った。

見返りとして、トランプ政権は先端技術関連の輸出規制の一部を撤回し、台湾防衛の姿勢を後退させた可能性がある。政権内にも、今は中国側に経済的なエスカレーション・ドミナンス(どんな展開になっても負けない優位性)があると、内心では認める者がいることだろう。

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【note限定公開記事】「中国優位」はウソ...米中貿易戦争、アメリカが握る「強いカード」とは

 

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