日本企業にとって実務上の意味が大きい変更点

トランプ大統領は4月2日、鉄鋼、アルミニウム、銅に関する232条措置を大幅に見直す大統領令に署名し、この新しい枠組みは4月6日に発効した。最大の変更点は、従来、金属含有部分を基準にしていた課税を、派生製品の通関価格全体に広げたことだ。一次金属・中核派生品には50%、派生製品には25%の追加関税が課される。

さらに、金属比率の高い工業設備・送電設備については、2027年末まで、通常関税と232条関税を合わせて15%となるよう調整される暫定措置が設けられた。他方、一定の派生製品は232条の対象から外され、7月24日までは122条の10%追加関税に戻されている。

この変更は、日本企業にとって実務上の意味が大きい。鉄鋼・アルミニウム・銅そのものの輸出だけでなく、機械、輸送機器、電力設備、消費財など、金属を使う完成品にも影響が及ぶからだ。4月6日以降、焦点は「金属そのもの」から「製品全体の通関価格」に移っている。

そのため対米輸出を行う日本企業は、自社製品が米国側でどの税番に分類されるのか、また、鉄鋼・アルミニウム・銅の重量比がどの程度かを改めて精査する必要がある。金属比率の高い工業設備や送電設備に対して一時的に合計15%となる扱いを受ける場合でも、金属重量が製品全体の15%以下で232条の対象外となる例外を利用する場合でも、輸入時点で裏付け資料が求められる。

日本企業にとってもう1つ重要なのが、4月2日の大統領令によって導入された関税の払戻し制度(いわゆる製造ドローバック)である。鉄鋼・アルミニウム・銅を含む派生製品や、金属比率の高い工業設備・送電設備のうち、日本、英国、EU、韓国、メキシコ、カナダなどの貿易協定パートナー国で一定の条件を満たして溶解・鋳造または製錬・鋳造された金属を用いた製品については関税の払戻しが認められた。

日本企業に残された数少ない実効的な救済手段
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