コラム

「アマゾンのリーダー」を演じるブラジルのルラ大統領...COP30で狙う「政治的野心」とは

2025年11月13日(木)20時34分

国際的な環境シンクタンク、LINGOのポール・ボエファール氏は「森林の下に存在する化石燃料の潜在的二酸化炭素排出量は森林自体に蓄積された炭素より桁違いに大きい」と強調する。コロンビアはほぼすべての石炭埋蔵量が森林の下にあり、インドネシアも同様だ。

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LINGOのポール・ボエファール氏(筆者撮影)

中国やインドは膨大な石炭資源が森林下に存在し、潜在排出量は数百億トン規模に達するという。

中国を牽制するため「欧州と連携して森林資金を確保」

ルラ大統領には「ブラジルは森林の主権者」「世界の気候の守護者」という物語を国際的に確立したい政治的野心がある。中国はアマゾン圏での鉱物投資を拡大する。ブラジルは「欧州と連携して森林資金を確保する」枠組みを作り、自らに主導権を引き寄せようとしている。

持続可能な燃料にはバイオガス、バイオ燃料、再生可能エネルギー起源の水素、eフューエル(合成燃料、eメタン)、低炭素水素、ゼロエミッション燃料が含まれる。つまり液体・気体の「低炭素系燃料」だ。日本政府が国際交渉で長年主張してきた項目がほぼそのまま入った。

日本は航空燃料で出遅れ、水素・アンモニアは主導したい分野。EUは日本のように全方向で燃料多様化を進めてこなかった。日本・ブラジル・イタリア共同提案のベレン宣言は日本の外交的勝利と言えるが、環境団体は「化石燃料の廃止を遅らせる目くらまし」と手厳しい。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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