中国軍、台湾周辺で「正義の使命」演習開始 30日には実弾射撃訓練
中国の台湾の旗。2023年4月撮影。REUTERS/Dado Ruvic
[北京 29日 ロイター] - 中国軍は29日、「正義の使命2025」と称する演習を開始し、陸軍、海軍、空軍、ロケット軍の部隊を台湾周辺に展開した。戦闘態勢を検証し、台湾独立に向けた動きに対して「厳重な警告」を発するのが目的という。
人民解放軍東部戦区の発表によると、30日には実弾射撃訓練を実施する。声明には台湾を取り囲む5つの区域を示す図が含まれており、これらの区域は午前8時半(日本時間午前9時半)から10時間にわたり、海上および空域の制限が実施される。
東部戦区の報道官は「今回の訓練は『台湾独立』を唱える分離主義勢力と外部からの干渉勢力に対する厳重な警告となる」とし、海空軍の戦闘即応態勢や主要港湾などの制圧に重点を置くと述べた。
台湾国防部(国防省)はコメント要請に直ちに応じなかった。
中国人民解放軍は昨年の軍事演習で台湾周辺の港湾封鎖を訓練していたが、台湾周辺での訓練が外部からの軍事介入に対する「抑止」を目的としていると公に述べたのは今回が初めて。
米政府は18日、中国からの軍事的圧力が強まる台湾に対して過去最大規模となる約111億ドルの武器売却を承認したと発表。これを受け、中国国防省は19日、中国軍が訓練を強化し「国家の主権と領土の一体性を守るため強力な措置を講じる」と警告した。





