安倍晋三を朝鮮半島で躓かせたアナクロニズム
しかし周知の様に、この第二次安倍政権の韓国へのアプローチは、慰安婦問題の解決を強硬に求める朴槿恵政権によって早々に拒絶された。朴槿惠は慰安婦問題での進展がなければ無意味だとして、安倍首相との会談すら拒絶し、日韓関係は大きく悪化した。これに対して、次に第二次安倍政権が試みたのは、アメリカ政府を動かしてこの問題を解決する事だった。結果、南シナ海を巡って米中が対立を深める中、中国への接近を進める朴槿恵政権への懸念を深めたアメリカ政府が圧力をかけ、2015年12月、所謂「慰安婦合意」が成立する。
とはいえ、この様な第二次安倍政権の努力は、今度は2017年、前年に勃発した弾劾運動の結果として朴槿恵政権が崩壊し、新たに文在寅政権が成立すると、事実上水泡に帰することになる。言うまでもなく、文在寅政権がこの合意の核ともいえる「和解・癒やし財団」を解散させ、合意に伴う支援事業を事実上打ち切るに至ったからである。次いで2018年10月には、元徴用工問題を巡って日本企業に慰謝料の支払いを命じる判決を韓国大法院が行い、日本政府・世論はこれに反発した。
ロシアやモンゴルにもアプローチ
重要なのは、ここにおいても「問題解決」の為に動いたのが、文在寅政権ではなく、第二次安倍政権の側だった事である。「司法の判断は司法に任せる」という方針の下、韓国政府が元徴用工問題に対して韓国政府が積極的な措置を放棄し、慰安婦問題についても「和解・癒やし財団」解散の後、新たな動きを見せなかった一方、日本政府が選択したのは、安全保障上の理由を名目として、一部半導体産品の輸出の規制を強化し、韓国側に問題の解決を促す事だった。つまり日本政府は、今度はアメリカではなく、自らの経済力を用いて、状況を動かそうとしたのである。そして、この措置が韓国政府・世論の強い反発を呼び、日本製品や日本旅行のボイコットへと繋がる事は既に述べた通りである。
こうして見た時明らかなのは、その方法や方向性の是非を別として、第二次安倍政権成立以降の日韓関係を「動かそう」としたのは、韓国側ではなく日本側であったという事である。同様の事は北朝鮮との関係についても言う事が出来る。第二次安倍政権成立後の日朝関係は、北朝鮮側が積極的な動きを見せない中、拉致問題の解決を求める日本側は、時には国内、時には中国やアメリカ、ロシアやモンゴルを含む様々なルートを用いてアプローチを続けてきた。つまり、ここでも状況を変えようとしていたのは、日本側であり、にも拘わらずそのアプローチが相手側の拒絶により成功しない、という状況が続いて来た事になる。
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