【リセットの年】2026年を支配する「24のトレンド」...AI医療からレジリエンス経済、アガベワインまで
24 Trends About To Change How We Live: From Finances to Relationships
muralinath-Pixabay
<アルゴリズムへの懐疑心から2026年は「リセットの年」に? 働き方から食生活、旅行に恋愛まで、その傾向は明らかだ──>
2026年はリセットの年になりそうだ。文化的な価値観は、よりゆっくりと、意図を持って生きる方向へとシフトしている。
科学やテクノロジーを活用して長寿や若返りを目指す「バイオハッキング」や「AI医療」から、短期間の休暇「マイクロケーション(micro-cations)」、リセール前提のワードローブ、アナログ趣味まで──。
2026年を象徴するトレンドは、アルゴリズムへの懐疑を強める消費者像を映し出しているようだ。
人々はより深いつながりと高い効率性を求め、働き方、恋愛、買い物、そして休息のあり方を「どのように、なぜ行うのか」という根本から見直し始めている。
テクノロジー、旅行、人間関係、小売まで、2026年を形づくる多くの動きは「本物であること」と「ウェルネス」を軸に展開していく。その全体像を見ていこう。
旅行

◆マイクロケーション(Micro-Cations)
旅行分野では、短く、小規模な休暇が今後の主流スタイルになりそうだ。こうした「ひと口サイズ」の休暇は、長期の休みを取ったり、多額の移動・手配コストをかけたりすることなく、現実的にリフレッシュできる手段として支持を集めるとみられる。
◆ラグジュアリー・ローカルトラベル(Lux Local Travel)
小規模な都市や再評価が進む町が、ローカルな地域ならではの魅力や職人文化、歴史的なディテールを求める旅行者を引きつけ始めている。
旅行者が重視するのは、観光客で溢れる定番スポットよりも、町の回りやすさやクラフトマンシップ、食の発見だ。彼らが足を運ぶことになる店は、TikTokなどのソーシャルメディアを通じて知るケースが増えていく。
◆セクシュアル・ウェルネス・トラベル(Sexual Wellness Travel)
「性的な関係」に焦点を当てた旅や体験が、スパ目的の週末旅行と同じくらい目立つ存在になっていく可能性がある。こうした体験は、官能性の探求、学び、そして身体感覚への気づきを軸にした、少人数制の没入型プログラムとして提供される。
ビジネス・働き方

◆「どこでも働ける」が「いつでも働ける」へ
ハイブリッドワークは引き続き定着する一方で、多くのビジネスパーソンは、これまでより早い時間からPCにログインし、より遅くまでオンラインで働くようになりつつある。
勤務時間を固定しない「非同期の働き方(asynchronous hours)」への移行は、短期的には生産性を押し上げる可能性があるが、同時に仕事と生活の境界線を再定義する動きでもある。
◆ソロプレナーの増加
個人で事業を立ち上げて、従業員を雇わずに運営する「ソロプレナーシップ(solopreneurship)」は、今後さらに存在感を高めていく。ミレニアル世代とZ世代は、従来型の雇用から距離を置き、自律性と目的意識を得られる働き方へと、今後もシフトしていく。
フリーランスやコンサルティング、クリエイティブ分野での仕事は、企業内の肩書きよりも、現実的で魅力的な選択肢として受け止められるようになる。
◆レジリエンス経済(The Resilience Economy)
今年は、従業員のウェルビーイングを生産性と同じ指標で測定する動きが広がり始めるとみられる。
職場では、精神的な負荷や感情的ストレス、認知的キャパシティをパフォーマンスダッシュボードや診断ツールを通じて評価する取り組みが導入されていくだろう。仕事の成果だけでなく、「持続可能に働けているかどうか」が可視化される局面に入りつつあるのだ。
◆ケア従事者の安全が優先事項に
医療などの分野では、人間の労働力を置き換えることよりも、人を守ることへと組織の重点が移っていく可能性がある。
今後は、移動を補助するツールやスマート安全システム、身体的負担を軽減する支援テクノロジーへの投資を進める組織が増えていくとみられる。現場で働く人の安全と持続性をどう確保するかが、重要な経営テーマとして浮上している。
食生活

◆食物繊維の年(Year of Fiber)
長年にわたりタンパク質が注目されてきた健康トレンドは、今後、食物繊維を含む議論へと広がっていく。消費者は、消化機能のサポートやエネルギー維持、全体的なウェルビーイングを目的に、食物繊維を豊富に含む食材を積極的に選ぶようになる。
◆アガベワイン
従来のワインやカクテルに代わる、より軽やかな選択肢として「アガベワイン(agave wine)」がメニューの定番になっていく可能性がある。ウェルネス志向の食体験に適した、バランスの取れた飲用体験を提供する点が評価されている。
◆ファームトゥテーブル(農場から食卓へ)の再定義
生産者と消費者の物理的・心理的距離を近づけ、より環境に配慮したサステナブルな食材の地産地消を目指す「ファームトゥテーブル」という考え方が、ステータスシンボルとしての意味合いを帯び始めている。
既存のムーブメントを引き継ぎつつも、一部の料理人たちは「丁寧さ」を料理に取り戻すべく、高品質な非加工食品を使い、古い調理技法を再びキッチンに持ち込むようになる。
テクノロジーとソーシャルメディア

◆ニュースインフルエンサーの隆盛
ソーシャルメディアは、純粋な娯楽を提供する場から、情報を届ける場へと引き続きシフトしていく。ニュース解説や背景説明、日常に役立つ知見を発信するクリエイターは、急速にフォロワー数を伸ばし、オンライン上で最も認知度の高い存在、すなわち「ブランド」になりつつある。
◆アナログ趣味への回帰
若い世代を中心に、クラフト、料理、ガーデニングといった手を動かす趣味が再評価されている。こうしたアナログな活動は、デジタル過多の状態から一時的に距離を置くための、現実的な逃げ場として機能している。
◆小規模プラットフォームと意図的な使い分け
今年は、1つの支配的なアプリに集約するのではなく、用途ごとに特化した複数のニッチなプラットフォームを使い分ける動きが広がりそうだ。親しい友人との交流、クリエイティブなコミュニティ、関心分野ごとのグループなど、それぞれ明確な目的を持って選ばれるようになる。
◆パーソナライズされたAI
AIは日常生活のさらに深いレベルに組み込まれ、臨床判断や診断、治療方針の決定を支援する存在になっていく可能性がある。こうしたツールは、よりパーソナライズされ、実用性を高めながら、スキンケアの選択や服装、食事計画といった細かな意思決定をサポートするなど、生活の隅々に浸透していく。
一部では、バーチャル・ガールフレンドや感情対応型チャットボットを通じて、親密さを探る動きも出てくるとみられる。
オフィス業務にとどまらず、現場で働く労働者も、清掃、保守、作業計画の立案といった領域でAIを活用するようになる。さらに、AIが教育現場に入り、アルファ世代に影響を与えるにつれ、AI時代における「教えること」と「学ぶこと」をどう理解するかをめぐる研究や議論が進んでいく。
また、AIは選挙を前にした政治マニフェストの理解を助けるツールとしても、引き続き一定の役割を果たすと予測されている。
◆バイオハッキングとNAD+
長寿を意識した生活習慣が、特別なものではなくなりつつある。細胞のエネルギー産生を支える「NAD+サプリメント」や極端に低い温度に身体をさらすことで、回復や健康促進を狙う「クライオセラピー(cryotherapy)」、「温熱・寒冷刺激」といった手法は、今後も人気を拡大していくとみられる。
人間関係

◆フラグマンス(Frugmance)
デート・交際では、金銭感覚への自己理解が重視されるようになる。予算管理や倹約、将来を見据えた資産設計は、堅実さの表れとして、長期的な相性を測るうえで魅力的かつ不可欠な要素と受け止められ始めている。
◆マイクロ・ロマンス(Micro-Romances)
近年は、短期的な恋愛関係が広がりを見せている。こうした短期的な関係は、一時的なものとの相互理解の上に築かれ、永続性への期待に縛られることなく、感情的な充足をもたらす関係性として受け止められている。
美容・ファッション

◆クリーンスキンケア(Clean Skincare)
消費者は、成分がシンプルで、科学的根拠があり、情報開示が徹底されたスキンケアを選ぶようになる。「非毒性」や「ナチュラル」といった表示は、前提条件として求められる基準になっていく。
◆ホルモンを意識したウェルネス
多くの女性が、自身の月経周期に合わせてスキンケア、栄養、フィットネスの習慣を組み立てるようになる。美容やウェルネスを個々の身体リズムに適応させる流れは、今後も続いていくとみられる。
◆機能性ラグジュアリー・トラベルウェア
移動やパッキング、気候の変化といった現実的なニーズに対応する衣服が、新たな「プレミアム」の基準になっていく。例えば、折りたたみ可能な帽子のように、実用性と上質さを両立したアイテムが象徴的な存在になる。
◆リセールが小売の主流に
中古品の購入は、もはやニッチな行動ではない。特にZ世代を中心に、サステナビリティや価格、そして個性を重視する観点から、最初の選択肢としてリセールを選ぶ消費者が増えている。ブランド側も、リアルな場での交流を促す対面イベントを引き続き強化していく。
住まいとインテリア

◆癒やしを重視したホームデザイン
クールなグレーに代わり、柔らかなブラウンや温かみのあるアースカラー、深みのあるナチュラルトーンが居住空間に温もりをもたらしている。自然木や触感を意識した素材は、感情面の回復を促す目的で、今後も継続して取り入れられていく。
◆モジュラー・リビング(Modular Living)
家具は、移動し、形を変え、進化することを前提にデザインされるようになっている。モジュール式のレイアウトは、限られた住空間やハイブリッドな働き方、より柔軟なホームライフを支える仕組みとして支持を集めていく。
資産管理

◆借り入れコストの上昇
高額なローンほど負担が増すなかで、消費者の志向は変わりつつある。大きな買い物に代わり、DIYによる住まいの改修や中古車の購入、生活圏を絞ったローカル志向の暮らしが、現実的な選択肢として浮上してくる。
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