コラム

予想外の英保守党勝利の裏事情

2015年05月12日(火)11時17分

 ちなみにこの状況は、事前の世論調査がことごとく間違っていた1992年の総選挙とよく似ている。当時は労働党が保守党のジョン・メージャー政権を追い落とすだろうと予想されていた。ところが、「木曜に保守党へ投票すれば、金曜には経済回復が続く」とのスローガンを掲げたメージャーが勝利した。政権政党のほうがいくらかマシな状況をつくってくれるだろうと、最後の最後になって有権者の一部が考えたまでのことだ。

 3番目に、スコットランド民族党(SNP)の急激な台頭が「平均的なイングランド人有権者」を保守党支持に結集させたという点が挙げられる。多くの有権者(僕もその中に含まれる)は、労働党とSNPの連立政権になる可能性が一番高いと踏んでいた。そうなれば国全体のたった5%弱の票しか集めていないSNPが、多大な権力を手にすることになる。イングランドの有権者の大半にとっては何としても避けたい事態だ。だからこそ多くの浮動票が、労働党ではなく保守党に流れたのだろう。

プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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