コラム

古谷経衡「我、如何にして政党党首たらんと欲す──れいわ新選組代表選挙顛末記」

2022年12月31日(土)12時59分

遺憾ながら12月18日の同党党首選挙投開票で、私は3陣営中3位に終り落選した。しかしながら、党員・党友、地方議員・予定候補者の3分野において、3陣営中2位に躍り出たこと。また、現職国会議員から2票(私は国会議員ではないので自主投票ができない)を得たことを鑑みて、自己評価で恐縮ながら総論としては「善戦」というところであろう。今般の選挙に於いての有権者が「もっと(中道保守寄りに)幅を広げなければならない」と自覚しているからがゆえの結果でもあろう。その総括は、支持者が受け止めるべきであり私からどうのこうのの評価は無い。

「政党政治」は民主主義の根幹だ。私たちは好むと好まざるとに関わらず、結局は政党を通じて自らの意見を国政や地方政治に反映していくのが最も手っ取り早い。しかしその「政党政治」の根幹である党首選挙(総裁・代表選挙)は、公職選挙法の縛りの外にあるがゆえに、金銭面では全くフリーだが、逆にいえばその被選挙権は事実上がんじがらめに規制されている。簡単にいえば、「部外者はお断り」というのが党首選挙の偽りざる慣習である。しかし「政党政治」の閉鎖的な現状の在り方は本当にこれで良いか。それを問いかけただけでも、私の立候補は意義が十二分にあったように思う。

法的な部分では、公職選挙法の関係がない「自主投票」であったので、代表選挙の間、私のテレビ・ラジオ出演に一切の制約は無かった。国政や地方に立候補すると、公選法の縛りから政治的中立性を慮る措置がなされるが、党首選挙はあくまで「政治団体が勝手にやっている自主投票」にすぎない。党首選挙期間中、私が党首候補に立候補していることを理由に、仕事を断ってくる局は一局も存在しないばかりか、むしろ引き合いは増えた。これも、公選法と党首選の関係における盲点のひとつだ。

前述したとおり、その過程はどうであれ結果私は敗れた。万が一党首になっていた場合はその職務を全うする覚悟はあったが、それは無理となった。投開票後、山本太郎氏から、具体的な党役員名を挙げての役員推挙があった。正直たいへん嬉しかったが、私はこれについては保留として、現在回答していない。

プロフィール

古谷経衡

(ふるや・つねひら)作家、評論家、愛猫家、ラブホテル評論家。1982年北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。2014年よりNPO法人江東映像文化振興事業団理事長。2017年から社)日本ペンクラブ正会員。著書に『日本を蝕む極論の正体』『意識高い系の研究』『左翼も右翼もウソばかり』『女政治家の通信簿』『若者は本当に右傾化しているのか』『日本型リア充の研究』など。長編小説に『愛国商売』、新著に『敗軍の名将』

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