コラム

上が決めたら徹底的に......日本の脱ハンコとデジタル化は強引すぎ?

2020年10月29日(木)16時30分
石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)

確かに、情報が地球の反対側まで数秒で届く時代に、押印してもらうために官僚が大臣の執務室前で早朝から何時間も待つ、というのは非常にナンセンスだ。新型コロナウイルスの感染者数の報告を東京都は各保健所からファクスで集めている、という話を4月に外国人に話しても誰も信じてくれなかった。私だって信じられなかった。

日本のデジタル化は、確かに他の先進国と比べて非常に遅れていると言わざるを得ない。文化も大事だし、個人情報はたぶんもっと大事だが、どちらも守りつつデジタル化を進めていく道はあるはずだ。

始めてみることもせず、マイナス点ばかり並べ立ててきたのも日本的だし、始めるとなったら十分な議論も尽くさずにルールも曖昧なまま、脱ハンコ・デジタル化という旗の下に強引に進めるのもまた非常に日本的である。

ちょうどよい程度というのが日本にはない。裏を返せば、やるとなったら徹底的にやる、上が決めたことには素直に従うのも、また日本的である。はてさて日本がどのくらい徹底的にデザインされた最先端のデジタル化を達成できるのか。私は大いに期待している。

<本誌2020年10月27日号掲載>

20210629issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

6月29日号(6月22日発売)は「ファクトチェック 韓国ナゾ判決」特集。慰安婦と徴用工の裁判で正反対の判決――。韓国は変わったのか。「大人」になった世論と政治が司法を変えたのか。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)

ニュース速報

ビジネス

米物価、予想超えて上昇も 「新たなリスク」に直面=

ビジネス

バイデン氏、インフラ投資計画で合意 超党派議員らと

ビジネス

インフレ率予想に「上振れリスク」あり=ダラス連銀総

ワールド

ロシア、英駆逐艦クリミア沖航行に抗議 「次回は爆撃

MAGAZINE

特集:ファクトチェック 韓国ナゾ判決

2021年6月29日号(6/22発売)

慰安婦と徴用工の裁判で正反対の判決が── 「大人」になった韓国世論と政治が司法を変えたのか?

人気ランキング

  • 1

    イスラエルが航空機搭載のレーザー兵器でブレイクスルー

  • 2

    インド、新たな変異株「デルタプラス」確認 感染力さらに強く

  • 3

    目先の利権を優先してきたインフラはもう限界...日本人が知らない大問題

  • 4

    トルコの海を覆い尽くす「海の鼻水」...茶色い粘液の…

  • 5

    アボカドは「悪魔の果実」か?──ブームがもたらす環…

  • 6

    G7の英コーンウォールで2450%増の感染爆発 人流増で…

  • 7

    「ワイン離れに歯止めがかからない」 フランス人が代…

  • 8

    「研究所流出説」を甦らせた素人ネット調査団、新型…

  • 9

    コロナ研究所流出説を裏付けるコウモリ動画

  • 10

    女子学生を美醜でランク付けした中国「アート」作品…

  • 1

    最愛の人の「生前の姿」をGoogleストリートビューで発見した人たち...その感動と特別さ

  • 2

    あなたがダイエットに失敗するのは内臓脂肪を燃やす栄養素を制限しているから

  • 3

    オーストラリア、一面クモの巣で覆われる

  • 4

    「ワイン離れに歯止めがかからない」 フランス人が代…

  • 5

    BTSだけじゃない! 中国を怒らせた「出禁」セレブたち

  • 6

    やっぱり危ない化粧品──米研究で半分以上に発がん性…

  • 7

    閲覧ご注意:ネズミの波がオーストラリアの農地や町…

  • 8

    閲覧ご注意:ヘビを捕食するクモが世界中で確認され…

  • 9

    「残業時間別」で見た日々の暮らしと仕事のリアル 10…

  • 10

    徴用工訴訟、ソウル地裁の却下判決 韓国法曹会は正…

  • 1

    4000回の腕立て伏せを毎日、1年間続けた男...何を目指し、どうなったのか

  • 2

    脳が騙される! 白黒の映像が、目の錯覚でフルカラーに見える不思議な体験

  • 3

    国際交流で日本にきた中国人200人に「裏切り者」のレッテル

  • 4

    最愛の人の「生前の姿」をGoogleストリートビューで…

  • 5

    デーブ・スペクター「日本は不思議なことに、オウン…

  • 6

    閲覧ご注意:ネズミの波がオーストラリアの農地や町…

  • 7

    あなたがダイエットに失敗するのは内臓脂肪を燃やす…

  • 8

    オーストラリア、一面クモの巣で覆われる

  • 9

    東京オリンピックの前向きな中止を考えよ

  • 10

    武漢研究所は長年、危険なコロナウイルスの機能獲得…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中