コラム

「米イラン危機」にイラン出身の私がコメントする難しさ

2020年01月31日(金)16時30分
石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)

2020年の正月という、日本にとって大きな平和の祭典であるオリンピックを控えたタイミングで発生したイランとアメリカの衝突は、私に多くの取材協力の機会をもたらした。そして応えることができなかった自分自身がいた。私はとても深く悩んだ。自問自答と内省で今も頭がいっぱいだ。リスクを承知で思っていることを発言するべきだったろうか。

世界は平和であってほしい、日本は平和で素晴らしい、故郷の家族が心配です、などと無難な発言をして、名前と顔を売るべきだったろうか。正直いまだに悩んでいる自分がいる。

今回の対応は正しかったのか......。その答えは出てない。だが、今回の悩み抜いた結果の教訓は、国同士の理解や交流は、互いへの配慮と気遣いをベースとして、平和な日常の中でこそ全力で取り組まなくてはならないということだ。有事には、日常の努力の結果が表れる。逆に、有事にバタバタと慌てたり、普段やらないような動きをするべきではない。

これは決して今回発言をした方を非難しているのではない。普段の努力が足らず、発言できなかった私の反省である。

<本誌2020年2月4日号掲載>

20200204issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月4日号(1月28日発売)は「私たちが日本の●●を好きな理由【中国人編】」特集。声優/和菓子職人/民宿女将/インフルエンサー/茶道家......。日本のカルチャーに惚れ込んだ中国人たちの知られざる物語から、日本と中国を見つめ直す。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)

ニュース速報

ワールド

中国、台湾との全面戦争に備える兆候ない=国防部長

ビジネス

英住宅ローン承認件数、8月は13年ぶり高水準 消費

ワールド

トルコは今年0.3%成長へ、コロナ危機からの回復見

ワールド

英国のEU離脱協定再考、認められない=独欧州担当相

MAGAZINE

特集:感染症 vs 国家

2020-10・ 6号(9/29発売)

新型コロナウイルスに最も正しく対応した国は? 各国の感染拡大防止策を徹底査定する

人気ランキング

  • 1

    韓国ネット民、旭日旗めぐりなぜかフィリピンと対立し大炎上に

  • 2

    北朝鮮の韓国乗組員射殺で「終戦宣言を」の文在寅に逆風

  • 3

    中国漁船団は世界支配の先兵

  • 4

    安倍政権が推進した「オールジャパン鉄道輸出」の悲惨…

  • 5

    無法地帯と化すハイチ 警官が暴徒化する理由とは?

  • 6

    タイ環境相、国立公園に捨てられたゴミを「持ち主に…

  • 7

    中国軍の侵攻で台湾軍は崩壊する──見せ掛けの強硬姿…

  • 8

    トランプはなぜ懲りずに兵士の侮辱を繰り返すのか(…

  • 9

    南北統一をめぐる韓国人の微妙な本音「統一は必要で…

  • 10

    中国の台湾侵攻に備える米軍の「台湾駐屯」は賢明か 

  • 1

    中国人民解放軍、グアムの米空軍基地標的とみられる模擬攻撃の動画公開

  • 2

    日本がついに動く実物大のガンダムを建造、ファンに動画が拡散

  • 3

    中国軍の侵攻で台湾軍は崩壊する──見せ掛けの強硬姿勢と内部腐敗の実態

  • 4

    韓国ネット民、旭日旗めぐりなぜかフィリピンと対立…

  • 5

    尖閣問題への米軍介入で中国軍との戦闘は不可避──仮…

  • 6

    中国の台湾侵攻に備える米軍の「台湾駐屯」は賢明か 

  • 7

    核武装しても不安......金正恩が日本の「敵基地攻撃…

  • 8

    美貌の女性解説員を破滅させた、金正恩「拷問部隊」…

  • 9

    北朝鮮の韓国乗組員射殺で「終戦宣言を」の文在寅に…

  • 10

    どこが人権国家? オーストラリア政府がコロナ禍で…

  • 1

    安倍首相の辞任で分かった、人間に優しくない国ニッポン

  • 2

    中国人民解放軍、グアムの米空軍基地標的とみられる模擬攻撃の動画公開

  • 3

    【動画】タランチュラが鳥を頭から食べる衝撃映像とメカニズム

  • 4

    反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船…

  • 5

    日本がついに動く実物大のガンダムを建造、ファンに…

  • 6

    中国軍の侵攻で台湾軍は崩壊する──見せ掛けの強硬姿…

  • 7

    韓国ネット民、旭日旗めぐりなぜかフィリピンと対立…

  • 8

    米中新冷戦でアメリカに勝ち目はない

  • 9

    尖閣問題への米軍介入で中国軍との戦闘は不可避──仮…

  • 10

    アラスカ漁船がロシア艦隊と鉢合わせ、米軍機がロシ…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!