東京五輪の今年、日本の「死刑」について考えよう
政府の世論調査を調べたところ、日本人がずっと死刑制度を強く支持しているわけでもない。例えば、1956年の調査では65%が「維持すべき」という意見だったが、1975年には57%に下がり、「廃止」派が21%に増えた。2014年には「維持」派が80%になったが、仮釈放なしの終身刑があれば「死刑を廃止するほうがよい」は38%。「殺人犯を殺すべき」というよりも、「ずっと監視下に置かれ、社会復帰しないでほしい」というスタンスの人も多いのではないかと思う。
日本にも冤罪はある。戦後、死刑判決を受けながら、再審で無罪となった被告人は4人。2014年に釈放された死刑囚の袴田巌さんも冤罪の可能性がある。残念ながら2018年6月の東京高裁の決定で、再審開始が認められない状況が続いている。最高裁判所の判断が出ず、袴田さんが死刑囚のまま亡くなる可能性もあり、本当に心配だ。
人の意見を尊重するのは重要だが、自分の意見を自分で作るのも重要だ。皆さんもぜひ死刑制度について本を読んだり、映画を見たり、世界の状況を調べたり、議論してください。廃止すべきか考えてください。私は個人的には死刑に反対です。
西村カリン
KARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。1999年からフリージャーナリスト、2004年からAFP通信東京特派員。著書に『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』など。
<本誌2020年1月14日号掲載>

アマゾンに飛びます
2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。
日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない 2025.04.25
小池知事に聞いてほしい、東京都が学ぶべきEUの留学制度 2025.04.09
12万人が関与、起源は台湾...中国「詐欺組織」が東南アジアで巨大化した理由 2025.04.03
生成AIで記事も動画も作れる今の時代に、記者としてすごく悩んでいること 2025.03.29
日本では起こりえなかった「交渉の決裂」...言葉に宿る責任感とは? 2025.03.21
韓国大統領の弾劾裁判騒動に思う、「大統領降ろし」という当然の権利 2025.03.08
日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻な問題 2025.02.26
-
無停電電源装置のサービスエンジニア・外資通信機器の先端製品
株式会社トランスビジョン
- 東京都
- 年収360万円~600万円
- 正社員
-
「外資系」ITヘルプデスク「英語:中級以上」/ITコンサルティング
エイラシステム株式会社
- 東京都
- 年収400万円~650万円
- 正社員 / 契約社員
-
「セキュリティスタッフ」東京駅・皇居周辺の一流外資系企業・5つ星ホテル・高級ブランドショップの安全を守る仕事
株式会社ビーテックインターナショナル
- 東京都
- 月給26万円~40万円
- 正社員
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員