最新記事

動物

なぜネコは1日じゅう寝ているのでしょう?

2022年1月24日(月)17時40分
松岡由希子

一般的なネコの睡眠時間はおよそ15時間...... ramustagram-iStock

<ネコがよく眠るのはなぜだろう。家畜化によってネコの行動や生活様式の一部は変化したが、睡眠覚醒周期はほとんど変わっていない......>

ネコがよく眠るのはなぜだろう。これにはいくつかの理由がある。

ネコは、ジャガーやヒョウなどの他のネコ科の動物と同様、主に明け方と夕方に採食や生殖などの活動を行う「薄明薄暮性」だ。ネズミなどの獲物も同じく薄明薄暮性であるため、ネコは夕方から明け方まで起きていて、狩りをしなければならなかった。狩りには多くのエネルギーを要する。ネコは広範囲にわたって狩りをするため、次の狩りに備えて昼間にたくさん眠る習性が身についたようだ。

子猫や高齢猫ではより長く20時間程度眠るものもいる

家畜化によってネコの行動や生活様式の一部は変化したが、睡眠覚醒周期はほとんど変わっていない。一般的なネコの睡眠時間はおよそ15時間だが、子猫や高齢猫ではより長く20時間程度眠るものもいる一方、12時間しか眠らない行動的なネコもいる。

ネコには12~14時間の睡眠は必要で、レム睡眠と浅い眠りの両方が重要だ。良質な睡眠は、エネルギーの貯蔵や筋肉の修復、免疫力の改善など、ネコの健康に寄与する。また、ネコの食事の多くは肉、魚などのタンパク質だ。摂取したタンパク質を完全に消化するためにも適度な睡眠が必要となる。

しかしながら、長時間の睡眠が必ずしもよいとは限らない。1日15~16時間以上眠る成猫は肉体的な痛みや甲状腺機能亢進症、うつなどの可能性がある。

睡眠のタイミングは一定ではない。摂食パターンに合わせて睡眠時間を定められるほか、飼い主の行動に合わせて睡眠のタイミングを調整するネコもいる。

ネコが深い眠りに入るのは睡眠時間のうちわずか25%程度だ。レム睡眠に入って夢をみることもある。四肢をぴくぴくさせたり、ひげがわずかに規則的に動いているとき、ネコはおそらく夢をみている。

Dreaming Cat (Fuu)


Bengal Cat Sleep Talks


cat dreaming of eating a shrimp

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国万科の社債急落、政府が債務再編検討を指示と報道

ワールド

ウクライナ和平近いとの判断は時期尚早=ロシア大統領

ワールド

香港北部の高層複合アパートで火災、4人死亡 建物内

ビジネス

ドル建て業務展開のユーロ圏銀行、バッファー積み増し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中