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コロナが迫るサステナブルへの転換「2020年は大変革の始まった年として記憶されるだろう」

RESPONSIBILITY OR RUIN

2020年8月7日(金)13時10分
ヨシュカ・フィッシャー(元ドイツ外相)

私たちは責任と勇気を持って「大転換」に乗り出すのか。それとも、終末の時に現れる『ヨハネの黙示録』の四騎士がやって来るのを待つだけなのか。最初の騎士は新型コロナと共に既に姿を現している。

この節目に多くの疑問が湧いてくる。例えば、人工知能(AI)や量子コンピューターは何のためにあるのか。これらを使えば、洗練された戦争の道具や消費者向けツールを開発できると思いたくなる。だが私たちが本当に必要としているのは、公衆衛生を改善し、生物が生きるのに適した気候を維持するためのシステム分析だ。

コロナ危機には、もう1つ無視できない副産物がある。アメリカと中国が世界の覇権をめぐって対立を強めているが、今後はどのような世界が待っているのか。これまでと同じく、国家の強さは主に軍事面の優位性で決まるのか、それとも、全く違うものと結び付けられるのか。

この超大国間の競争に身を委ねないのなら、ヨーロッパ諸国には意外な役回りが回ってくることになる。社会が共同で責任を負うとはいかなることか、人類に模範を示すという使命だ。

©Project Syndicate

<2020年8月11日/18日号掲載>

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