最新記事

パーティー

近頃の格安クルーズはまるで男女の動物園 優雅な船旅にさようなら

Cheap Cruises Have 'So Much Cocaine And Group Sex', Former Worker Shares

2019年8月2日(金)17時45分
カルヤン・クマル

パーティーとなると泥酔して裸になる若者が、客船にも進出してきた Kim Hong-Ji-REUTERS

<格安クルーズプランが増えたことによって船上のモラルが低下している。どんちゃん騒ぎの内実とは>

豪華クルーズ船での船旅といえば究極の贅沢。夜は盛装でディナーやダンスを優雅に楽しみながら、濃密な社交の時間を過ごす――そんなイメージが今、パーティー狂の若者たちによって損なわれつつある。複数の報道によれば、彼らは船上で大酒を飲んでどんちゃん騒ぎを繰り広げたあげくにドラッグを使用。まるで動物のように振る舞ってグループセックスに興じているという。

こうした恥ずべき実態が露呈したのは7月26日。イギリスの豪華客船ブリタニア号の船上で酔っ払い同士の喧嘩がもとで男女6人が怪我をしたと報じられたのだ。

<参考記事>50歳以上の「節操のないセックス」でHIV感染が拡大

かつて客船のエンターテイナーだったある人物は、格安クルーズプランが増えていることが1つの原因だと言う。「手頃なパッケージツアーや飲み放題プランが、乗客を動物に変身させる」

ある客船乗務員(匿名)は、今では多くの客船で乗客が度を超えたどんちゃん騒ぎをしたり暴力をふるったり、恥も外聞もなく裸になったりする光景が繰り広げられていると語る。


学生向けに春休みクルーズを販売する米CPC社の動画

船上での「野外セックス」も

5年以上にわたってさまざまな客船で仕事をした元エンターテイナーによれば、最悪なのは期間が短いクルーズだ。「長旅よりもはるかに安いので、バーの酒がなくなるまで浴びるように飲む連中が集まりやすい」。ショーの最中にやじを飛ばしたり、バーの閉店後に喧嘩を始めたりするのは日常茶飯事だという。

元乗務員のクレア・サンダース(29)は、ベルギーからフランスまでのクルーズに乗船したところ乗客が酒を飲んで騒ぎ、「まさに悪夢だった」と語る。「飲み放題プランを最大限に活用するのは、決まってイギリス人だった」と彼女は言う。喧嘩がなく静かだと思うと酒や薬でつぶれている。船内でコカインが発見されたという報告は日常的にあり、もう誰も驚かない。

客室の外で堂々とセックスをしたり、裸になったりする人も増えているとサンダースは指摘した。オーストラリアからフィジーへの船旅では、船上結婚式をしたカップルがデッキの上でセックスをしたことを理由に「次の停泊地で船を下ろされた」と彼女は言う。

<参考記事>巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ

新婚の夫婦なら、情熱的になるのもまだ分かる。だが、そうでなくても客室の外ではしゃぎ回るのが好きな客は多く、最近の調査によれば、船旅経験者の10%前後が船上での「野外セックス」の経験があると回答した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・サウジ経済協定に署名、米製武器の大規模購入も 

ワールド

ロシア、ウクライナと真剣な協議の用意=外務次官

ワールド

米政権のウィットコフ・ケロッグ特使、15日にトルコ

ワールド

プーチン氏との直接会談が和平への唯一の道、ゼレンス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 3
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 6
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 7
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 8
    トランプは勝ったつもりでいるが...米ウ鉱物資源協定…
  • 9
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 8
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中