最新記事
研究

113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎」が最新研究で明らかに

Ginger Cat Mystery Solved

2025年3月6日(木)17時29分
トム・ハワース(自然・科学担当)

サビ猫

ALEX WALKER/ISTOCK

マゴーワンによれば、それだけではない。

「研究が示すように、猫のオレンジ色を発現させる変異は、色素細胞の内部だけで特定の遺伝子のスイッチを入れる。その他の細胞型は影響を受けないようだ。ある数年前の研究によると、ヒトの場合は同じ遺伝子が他の細胞型で活性化すると、極めて深刻な疾患を引き起こし、患者の軟部組織(筋肉や腱、靭帯)は徐々に骨化してしまう」


猫の柄は不思議だらけ

茶トラ猫は何千年も前から生息している。古代エジプトの墳墓の装飾にその姿があり、一部の猫のミイラは茶トラ猫だったとみられる。

「ハリー・ポッター」シリーズをはじめ、現代のポップカルチャーにはよく登場するが、ネコ科でオレンジの毛色はより珍しいという事実に変わりはない。

オレンジ遺伝子の特定は、色素生物学分野の新たな経路を示している。ARHGAP36は従来、毛包発達に果たす役割が知られていた。色の形成への関与は新発見だ。

今回の2つの研究はいずれも査読前で、生物学プレプリントサーバーのbioRxiv(バイオアーカイブ)で公開されている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

訂正マネタリーベース、国債買入減額で18年ぶり減少

ビジネス

USスチールの収益体質は脆弱、「成長戦略」縮小はな

ワールド

インドネシア、第3四半期GDPは前年比+5.04%

ビジネス

グーグルとエピックが和解、基本ソフトとアプリストア
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中