中国人ジャーナリストが日本のホームレスを3年間取材して知った10の命題

公園で炊き出しを待っている貧困者たち。3分の1程度はホームレスだろうか
<荒川河川敷のホームレスの生活から、一般的なホームレスのイメージとは異なる実情が見えた。在日中国人ジャーナリスト趙海成氏による連載ルポ最終回>
この「荒川河畔の『原住民』」シリーズが合計32話となり、今日ついに幕を下ろす。長期間にわたる連載の機会を与えられたことに感謝したい。
またこのシリーズを長い間、読んでくれた読者に感謝したい。皆さんのコメントを読んで、考えさせられることや勉強になったことが多かった。非常に鋭く辛辣なコメントもあったが、私は受け入れなければならない。
最初に知り合ったホームレスの友人である桂さん(故人、仮名)は、「ホームレスになったことは人生の冒険だ」と言った。
日本人の中国人に対するイメージが日に日に悪くなっている中で、在日中国人ジャーナリストの私が、日本のメディアでもあまり触れられない日本社会の最底辺、つまりホームレスの世界に深く足を踏み入れて取材を行い、日本のメディア(ニューズウィーク日本版)で堂々と公開することも、自分のキャリアの中では一つの冒険だったのではないかと思う。
読者からのこういった疑問は避けられない――「中国人ジャーナリストなのに、なぜ日本社会の暗い面を大きく扱うのか。自分の国にあるさまざまな深刻な問題を取材すべきではないか」。
率直に答えよう。
日本は言論の自由が守られている国だからこそ、ジャーナリストの私は自分の活動の場を日本に移したのだ。
5年前に北京に住んでいたとき、海外の華人が中国の最高指導者の名前に言及し、中国当局の強制的な住宅取り壊しを非難した短い文章を、私は中国のSNSであるウィーチャットの「モーメンツ」(タイムライン機能)に転載した。
すると私のアカウントが永久に封殺されたばかりか、夜にはパトカーに乗せられて交番に行き、数時間の尋問を受けることになった。