最新記事

インタビュー

新卒1カ月で無職になった彼女を、Forbes選出の起業家に変えた1冊の本

2021年1月9日(土)12時10分
今井順

初めてこの本を手に取ってから約10年がたった今も、書かれていることを意図的に実践していると話す田中さん。そうすることで2020年は、思ってもいなかったチャンスに恵まれたと教えてくれた。


Waffleは女子中高生向けの IT教室と政策提言を進めているのですが、2020年に入ってユース団体と一緒に政府に直接、政策提言をする機会が訪れたんです。

SNSで流れてきた「#男女共同参画ってなんですか」というプロジェクトの「男女共同参画基本計画素案への、ユースからのパブリックコメントを募集しています」というつぶやきがきっかけで、ユース団体の皆さんと橋本聖子大臣に直接声を届ける機会を頂きました。

でもそれは政策提言をしたいという気持ちからではなく、つぶやきに対して「何かできることがあったら協力します」という、ギブの気持ちを示したことで実現したんです。

この本(新版)で、第8章「レモネードがヘリコプターに化ける」の中の、幸運を自分で呼び込むための方法が紹介されている部分がすごく好きなのですが、その中に「他者との有意義な関係がチャンスを呼び込む」と書かれていて。まさにその通りになったと実感しています。

田中さんは現在、IT教育だけでなく、「社会課題をモバイルアプリで解決しよう」をテーマにしたアプリコンペ「Technovation Girls」をはじめ、次世代の女性IT起業家を育成するために、より踏み込んだアプローチを始めている。

老若男女を問わずスマホを持ち、AIやIoT(モノのインターネット)が浸透しつつある時代の中、リーダーシップと起業家精神、ITスキルで可能性を解き放つ女性たちを育成していくことが目標だ。


私はテレビ番組の制作会社を1カ月で辞めた後、再就職もできず、自分が思い描くようなキャリアを築けませんでした。それでも「起業して社会に影響を与えられる人間になるのだ」という夢を、絶対に諦めなかった。

諦めなかったことで、起業してわずか1年でForbes JAPANから選出され、日本政府主催の「ジャパンSDGsアワード」も受賞できた。今後は経済的格差や機会の格差を埋めるために、学校や自治体との連携を図っていくつもりです。これからも『20歳のときに知っておきたかったこと』から学んだことを胸に刻み、日々邁進していきます。


新版 20歳のときに知っておきたかったこと
 ――スタンフォード大学集中講義』
 ティナ・シーリグ 著
 高遠裕子 訳
 三ツ松新 解説
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

財新・中国製造業PMI、6月は50回復 新規受注増

ビジネス

マクロスコープ:賃金の地域格差「雪だるま式」、トラ

ビジネス

25年路線価は2.7%上昇、4年連続プラス 景気回

ビジネス

元、対通貨バスケットで4年半ぶり安値 基準値は11
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中