最新記事

インタビュー

30万部ベストセラーの教授が説く「毎日1%向上する人になれ」

2020年12月12日(土)18時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

写真は本文と関係ありません recep-bg-iStock.

<私たちは皆、自分の人生に責任があり、自分たちで思っているよりも多くの選択肢を持っている――。スタンフォード大学のティナ・シーリグ教授が今年、10年前の著書『20歳のときに知っておきたかったこと』を大幅にアップデートした。いま私たちはどう生きるべきなのか>

2010年3月に日本で刊行された『20歳のときに知っておきたかったこと』(高遠裕子・訳、三ツ松新・解説、CCCメディアハウス)という本がある。スタンフォード大学の起業家育成のエキスパート、ティナ・シーリグ教授が「人生を変える方法」を指南した同書は、日本だけで30万部を売り、世界各国でベストセラーとなった。

あれから10年が経った今年、同書を大幅にアップデートした『新版 20歳のときに知っておきたかったこと――スタンフォード大学集中講義』が刊行された。
new20yrsoldbook20201212-cover200.jpg
この10年におけるネットやデバイスの目覚ましい進化によって、ビジネスや文化、学習方法は大きく変わった。さらに新型コロナウイルスの脅威がもたらした生活や働き方の変化は、今後ますます広がっていくだろう。

誰にとっても大きなターニングポイントになったであろう2020年、なぜ『20歳のときに知っておきたかったこと』をアップデートしたのか。いま起こり、これからも起こっていく変化に、どう対応していけばいいのか。

そして、いま私たちはどう生きるべきなのか。

著者のティナ・シーリグに聞いた。

――『20歳のときに知っておきたかったこと』はアメリカだけでなく、日本でもロングセラーとなり、大人気です。

私自身、この本の反響に驚きつつも、とても嬉しく思っています。この10年間、本書から有意義なメッセージやストーリーを見つけたという話を何千人もの読者たちから聞いてきました。

本書の包括的なテーマは、読者自身に、独自の道を世界で作ることができるという自信を与えることです。つまり、自分で立てた仮説に挑戦し、実験しては失敗し、自分で道(コース)を計画して、自分の能力の限界に挑むことへの許可を自分に与えるのです。

本書を読むことでこれらのアイデアを内面化し、自分にもできると知ることになります。

――今回の新版で新しい2つの章を追加されましたが、その意図や目的について聞かせてください。

10年前に書いた本を改めて振り返り、アップデートできたことはとても光栄です。新規の2章では、最近、私自身が考えるのに多くの時間を費やしているテーマ、つまりリスクを取ること(リスクテイク)と運について取り上げています。

旧版でもこのテーマに触れましたが、それほど深くは掘り下げませんでした。追加した章は2018年に私がTEDで行った講演に基づいており、小さなリスクを取ることで運がどう向上するかについて説明しています。

TED講演の準備段階で、このテーマ(リスクテイクと運)に向き合った結果、私たちの生活のあらゆる面において、これらが成功のためにいかに決定的に重要であるかが分かったのです。このテーマについての新しい本を書くのではなく、本書の新版に入れることにしました。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 7
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 8
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中