最新記事

BOOKS

東大生が世界で活躍するために読む本の共通点とは?

2020年1月11日(土)11時45分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

jovan_epn-iStock.

<世間の売れ筋ランキングに左右されない東大生の「本の使い方」、そして現役大学生の年齢がタイトルに入り彼らが「いい本」と見抜いた本......東大生協の書店で長年、学生たちの読書傾向を観察してきた重松理恵氏に聞いた>

日本のトップユニバーシティーである東京大学だが、最近は「東大」そのものだけでなく、そこに通う「東大生」への関心も高いようだ。

難関の試験を突破し、「日本一の大学」で勉学や研究に励む彼らは、どんな頭脳を持つ人たちなのか。また、どんな本を、どのように読んでいるのか。

そうした疑問に答える本が何冊か出版されているが、その1冊に、東京大学生協の書店で長年、学生たちの読書傾向を間近で観察してきた重松理恵氏による『東大生の本の「使い方」』(三笠書房)がある。

東大生の本の「使い方」とは何か。また、いずれ世界に飛び出していくであろう東大生たちはどんな本を読んでいるのか。著書の中で「東大生が『世界で活躍するため』に読んでいる本」もリストアップして解説している重松氏に話を聞いた。

◇ ◇ ◇

知られざる大学生協と通常の書店との違い

私は長年、東大生協の書籍部に勤めていましたが、通常の書店との大きな違いは、学生さんたちが講義で使用する教科書の販売と、先生方からの研究用書籍の注文手配が業務のメインになっていることです。

実際のところ、教科書販売は春と秋の年2回あるため、1年の半分はこれらの対応に時間を取られます。また、先生方からの注文には、一般には流通していない本や洋書などの取り寄せ品も多く、そういった意味では、通常の書店より作業は複雑かもしれません。

品揃えについても、専門書が中心で、通常の書店がメインとしているベストセラー小説や話題書、ビジネス書が並ぶ棚は少なめです。代わりに、大学生が手に取りやすい文庫や新書のほか、就職・資格・語学関連書など、大学生に必須の本が中心になっているのも、大学生協書店の特徴です。

そんな中、教科書販売が比較的落ち着いている6月や11月、大学が夏休み期間になる8月に、通常の書店のような店舗づくりに時間を使うことになります。棚のレイアウト変更、定期的に行う書籍フェアのほか、著者を招いてサイン会やトークショーなども開催します。

私も東大生協では、法律・経済ジャンルや雑誌の棚を担当した以外に、東大生と著者をつなげる「学食講演会」というイベントも企画していました。ドナルド・キーンさんや瀧本哲史さん、上野千鶴子さんなどをお招きし、おかげさまで毎回満席になるほどの人気を博しました。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

訂正-メルセデス、中国パートナーとの提携に投資継続

ビジネス

ホンダ、カナダにEV生産拠点 電池や部材工場含め総

ビジネス

スイス中銀、第1四半期の利益が過去最高 フラン安や

ビジネス

仏エルメス、第1四半期は17%増収 中国好調
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 7

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中