最新記事

キャリア

脳を覚醒させ、定年後も時代遅れにならずにいられる「メモ術」

2018年12月27日(木)17時05分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

SIphotography-iStock.

<図書館で新聞全紙を舐め回すように読む人がいるが、あれは意味がないと、博報堂の元トッププレゼンターである須藤亮氏は言う。彼の提唱する「スマホメモ」とは一体どんなものか>

さまざまな機能があるスマートフォンは、今や現代人の必需品だ。

大手広告代理店・博報堂に35年勤め、現在はマーケティングプランナ―として活躍する須藤亮氏によれば、それらは世界中に散らばる情報を集められる「世界のファインダー」機能と、世界中の誰とでもコミュニケーションを取れる「世界とつながる」機能の2つに大別できる。

そして須藤氏はこう言うのだ。

「私は、スマホにはもう一つの大きな機能と役割があるのではないかと考えました。それは、人間の知識創造のベース、『自分の思考基地』としての機能です」

そんな須藤氏が提唱するのが「スマホメモ」、すなわちスマホのメモ欄の活用だ。自分の気づきや知見をどんどんスマホにメモしていく。脳の記憶だけでは心もとないが、スマホメモならその心配は無用。さらには、頻繁にメモを取ることで、考える時間を確保できる利点まであるという。

「インプットして取り込んだ情報を文字として明示し、それをさらに見返すことで熟成、知見化して、アプトプットに生かす。このサイクルを繰り返すことで、脳が活性化しているのです」

ここでは、須藤氏の著書『スマホメモ――仕事と人生の質を上げるすごいメモ術』(CCCメディアハウス)から一部を抜粋し、3回にわたって掲載する。第2回は、スマホメモとは何か、定年を迎えた後の須藤氏に何をもたらしたかについて。

※第1回:日経新聞を読み切れなくても「むしろいい」と、トッププレゼンターが言う理由

◇ ◇ ◇

博報堂の社員は「思考メモ」好き

博報堂の社員は思考メモ好きです。仕事柄、いろんな企業とおつきあいしているので、その業界の勉強をしなければならないし、広告を仕事にする以上、社会課題にも向き合うので、国や地球規模の大きな問題について勉強しなければならないからでしょう。

また、お得意先に提案やプレゼンをするにあたって、与えられた情報を整理し、アウトプットするための思考メモやノートを書く機会が多いからでしょう。

そこでずっと働いてきた私が思うに、思考を整理し、印象づけるメモやノートの書き方には、パターンがあるように思います。

ざっくり言うと、文字化、グループ化、表札化、矢印付け、強調化(下線やラインマーカー)、そして図示化・具象化です。

図7は私のメモの例です。

smartphonememo181227-chart.png

『スマホメモ』40ページより

これは、本書の骨格を思考メモに落とし込もうとした時のものですが、本の構造をわかりやすく示そうと、枠囲いがあったり、矢印があったり、ラインマーカーがあったり、今言ったメモのパターンを駆使していますよね。

これは、脳がこう書くとわかりやすいと言っているものを素直に書いた、というのが私の実感です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

欧州評議会、ウクライナ損害賠償へ新組織 創設案に3

ビジネス

米雇用、11月予想上回る+6.4万人 失業率は4年

ワールド

ハセット氏、FRBの独立性強調 「大統領に近い」批

ビジネス

米企業在庫9月は0.2%増、予想を小幅上回る
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「日本中が人手不足」のウソ...産業界が人口減少を乗…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中