人間に近い汎用人工知能(AGI)で中国は米国を既に抜いた──ただしそれは異形のAI

China's Next-Level AI Could Overtake US: New Report

2025年5月20日(火)20時57分
ディディ・キルステン・タトロウ(本誌米国版・国際問題担当)

ドイツ国際関係評議会のバレンティン・ウェーバーは、米中双方が汎用人工知能(AGI)の実現に向けて莫大な資源を投入していると語る。

「アメリカはAIチップや計算センターで優位に立っているが、中国は都市行政にAIを実装しながら、LLM(大規模言語モデル)開発も並行して進めている。中国はAGIに至る道筋を多方面に広げており、実世界での実装という点ではアメリカよりも先を行っている可能性がある」とウェーバー氏は指摘する。


 

武漢は中国における研究と交通のハブであり、複数の研究機関、3つの国家開発区、4つのテクノロジーパーク、さらに2,000の研究開発型・ハイテク企業が集積する。

この地域には多数のコンピューティングセンターとグリッドが接続されており、その演算能力は年間30エクサフロップス(1エクサフロップス=1秒間に1兆×1億回の計算)に達する見込みだと、報告書は中国国営メディア・長江日報の情報を引用している。これは、中国の都市圏で最も高い計算能力集中度を誇るという。

単純な比較は難しいものの、アメリカで最速級のスーパーコンピュータ「El Capitan」(カリフォルニア州ローレンス・リバモア国立研究所)の計算能力は1.7エクサフロップスだ。

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