最新記事
ビジネス

シェア伸ばすJT、新デバイス「Ploom X ADVANCED」発売で加熱式たばこ三国志にさらなる変化が!?

2023年12月6日(水)16時25分
高野智宏

JTが発表したブラインド調査の結果

JTが発表したブラインド調査の結果。特にメンソールやフルーツ(メンソールのフルーツフレーバー系の銘柄)において競合他社製品より高い評価を得たという

結果は如実に現れた。JTが発売前に行ったブラインド調査(デバイスが何かが分からない状態で試用してもらう)では、競合他社製品との比較で、レギュラーは39%対14%、メンソールでは82%対0%(それぞれ残る47%、18%は「どちらでもない」の回答)と、Ploom X ADVANCEDが高評価を得たという。

加えて、前モデルのPloom Xでは110分あった充電時間を90分へ短縮。また、たばこスティックを差し込むだけで加熱が開始する自動加熱機能の搭載などユーザビリティを向上。たばこスティックを差し込むスライド部をよりシームレスにし、Ploom Xの持つスタイリッシュなデザインもブラッシュアップされている。

メディアに初公開されたJT関西工場の製造ライン

新デバイスの投入により、加熱式たばこ市場のシェアを「10.5%から2倍、3倍へと伸ばしたい」(山口氏)と意気込むが、そんなJTの期待感が現れたのが、11月上旬に開催された新商品発表会の会場だ。

通常、こうした発表会は内容に適した都心のイベント会場で開催されるが、今回会場となったのは、JTが国内に持つ3つのたばこ製品製造工場のひとつ、京都市伏見区の関西工場だった。

JT関西工場では、日本の紙巻たばこナンバーワンブランドである「メビウス」をはじめとする紙巻たばこ6ブランド計60銘柄に、Ploom X用たばこスティックの全17銘柄を製造している。なお、たばこスティックを製造する国内拠点は、唯一この関西工場だという。

発表会では工場見学会も開催され、4つある製造ラインのうち1ラインがメディアに初めて公開された。ブレンドされ細かく刻まれたたばこ葉を、紙で巻き一定の長さで裁断。次いでフィルターが挿入され、チップペーパーで巻き上げられ1本のたばこが完成する。これを20本単位で箱詰めしフィルムで包装、さらに10個のカートン単位で包装される様子を見学することができた。


JT関西工場の製造ライン(JT提供) YouTube

清潔な工場内はすべてオートメーション化され、品質は厳しく管理されている。「農作物であるたばこ葉は、その年の気候状況により微妙に品質が異なります。しかし、いつどこで購入されても常に同じ喫味を担保できるよう、品質管理を徹底しています」と、製造部長の嶋田達也氏は胸を張る。

メンソールの戦いと、グローバルの拡大

Ploom X ADVANCEDの発売で、ますます白熱しそうな加熱式たばこ「三国志」。今後を占うひとつのカギは、メンソールかもしれない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米国のイラン攻撃、国際法でどのような評価あり得るか

ワールド

ウクライナ首都と周辺に夜間攻撃、8人死亡・多数負傷

ワールド

イスラエル、イラン首都に大規模攻撃 政治犯収容刑務

ワールド

ゼレンスキー大統領、英国に到着 防衛など協議へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「過剰な20万トン」でコメの値段はこう変わる
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり得ない!」と投稿された写真にSNSで怒り爆発
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 6
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 7
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    EU、医療機器入札から中国企業を排除へ...「国際調達…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 9
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中