最新記事

仕事

空前の人気、ライターの魅力は仕事とプライベートを「分けない」働き方

2021年12月9日(木)11時31分
佐藤友美
仕事と家庭

Geber86-iStock

<ライター志望者が急増している背景には、仕事とプライベートを「分けない」ことで相乗効果を生む、働き方への意識の変化がある>

ワーク・ライフ・バランスの考えが定着して久しい。とりわけ若い世代は仕事とプライベートを明確に分けたがると言われてきた。しかし、ここ数年、その傾向に異変が起きつつあるようだ。

「コロナ禍でリモートワークが進み、副業解禁の流れができてからは、『仕事とプライベートを切り分けたくない』と考える20代、30代が増えてきたように感じます」。そう語るのは、『書く仕事がしたい』(CCCメディアハウス)を上梓したばかりの佐藤友美さんだ。

佐藤さんはライター/コラムニストとしてフリーランスで働き、今年で21年目になる。新刊には、人気ライターの立場で、仕事を絶やさず稼ぎ続ける技術や、個人の人生にフィットする働き方について書いた。「文章力」以外の技術に焦点を当てた本書には、フリーランスで働くヒントが詰まっていると、ライター以外からも支持を集めている。

『書く仕事がしたい』の内容を紹介する連載の後編。仕事とプライベートをシームレスに行き来する「新しい働き方」について佐藤さんに語ってもらった。

※前編はこちら:自由で楽しそうだけど...「ライター」って実際、どれくらい稼げるの?

書く仕事がしたい
 著者:佐藤友美
 出版社:CCCメディアハウス
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

「仕事とプライベートの両立」という言葉が持つ違和感

この1、2年、私のライター講座でも、「ライターになりたい」「書く仕事をしたい」という人が急増しました。とくに、コロナ禍で在宅ワークや副業解禁の流れが加速した今年は、どこのライター講座も空前の大盛況だったと聞きます。

「独立して、筆一本で生きていきたい」人から、「コロナで減った給料分を副業で稼ぎたい」という人まで、様々なタイプのライター希望者に講義をしてきましたが、最近ひとつ気になることがあります。それは、ライターを目指す人に代表されるフリーランスになりたい人たちに、「仕事とプライベートを分けずに生きていきたい」という傾向が強くなったことです。

以前、私がライター講座で聞かれる質問のナンバーワンは、「仕事とプライベートをどう両立していますか?」でした。そこには、「仕事もプライベートも両立せねばならない」といったニュアンスがありました。

「両立」という言葉には、「両方立てるのは難しい」という前提があったし、「仕事を取ればプライベートが犠牲になる。プライベートを優先すれば仕事が犠牲になる」といった感覚もあったように思います。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英住宅ローン融資、3月は4年ぶり大幅増 優遇税制の

ビジネス

LSEG、第1四半期収益は予想上回る 市場部門が好

ワールド

鉱物資源協定、ウクライナは米支援に国富削るとメドベ

ワールド

米、中国に関税交渉を打診 国営メディア報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中