最新記事

仕事

空前の人気、ライターの魅力は仕事とプライベートを「分けない」働き方

2021年12月9日(木)11時31分
佐藤友美

私自身は、この「仕事とプライベートをどう両立していますか?」という質問に、いつもうっすらとした違和感を持っていました。私はフリーランスのライターとして働き始めてから21年たちます。10年前に子どもを授かって、以来、子どもを育てながら、ライター業をしています。「仕事とプライベートをどう両立していますか?」と聞かれて、私が違和感を覚えるのは、フリーランスの人間にとって、自分の時間は、すべて自分の時間だからです。人から管理されている時間はありません。

とくに、私のように「書く仕事」をする人間にとって、仕事とプライベートは、そんなに明確に切り分かれているようにも感じられません。この仕事は、すべての時間で感じたことが文章ににじみ出ます。逆に仕事で得られた情報も、自分の他の時間に染み出していきます。仕事とプライベートが、シームレスにつながっている職業だと思うのです。

この感覚は、10年くらい前にはなかなか理解してもらえずにいました。しかし最近、ライター講座にくる人たちは、はなからこの「仕事とプライベートが切り分かれていないこと」を魅力に感じて、ライターという仕事で食べていけるようになりたいと考えている人が多いのです。

プライベートの興味が仕事になるなら公私混同は悪くない

たとえば、私の講座の卒業生には、


「普段、毎日の買い物をするイオンのスーパーをどう活用して節約しているか」
「大好きな3コインズで、これだけはおすすめしたい商品」

といった日常の延長線上にある切り口でメディアに寄稿し、人気ライターとして活躍している人が何人もいます。


「ジャニーズやモーニング娘。好きが高じて、彼らの新曲や、推しの出演作について熱く語って、稼ぎたい」
「映画やドラマを観るのが大好き。仕事をやめて、これらのレビューだけで食べていけるようになりたい」
「地域に根差したインディーズアーティストを紹介するサイトに書きながら、街づくりに関わりたい」

といった好きだからこその夢を、かなえつつあるライターもいます。


「自分の子どもに病気があったので、子どもの病気についていろいろ取材できる媒体の専属になった」
「東京からの移住を考えているので、いろんな街の取材ができるメディアのライターに応募して書いている」

と、その人ならではの人生や生き方に関わる分野で書いている人もいます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ東部で幼児含む7人死亡、ロシアがミサイル

ビジネス

カンタス航空、コロナ禍中の解雇巡り罰金 豪労働訴訟

ビジネス

焦点:ジャクソンホールに臨むパウエル議長、インフレ

ワールド

台湾は内政問題、中国がトランプ氏の発言に反論
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 2
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に入る国はどこ?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する…
  • 5
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 6
    恐怖体験...飛行機内で隣の客から「ハラスメント」を…
  • 7
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 8
    40代は資格より自分のスキルを「リストラ」せよ――年…
  • 9
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 10
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 6
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 8
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 9
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 10
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中